遺言に不満がある

遺言に不満があるとき つまり
その遺言にどう考えても、納得できない!

そんなときはどうしたらよいでしょうか。

良い方法があるのでしょうか。

遺言者がまだ生きている間であれば
相談することも泣きつくことも
拒むことも可能なのです

が、

死後発見された遺言書に対しては
もう、どのような苦情を訴えることも
不可能です。

遺言書を変えることはできません。

 

ただ、やり方がないわけではありません

もちろん法律の範囲内、合法的な方法が
あります

 

方法は
遺言内容と(共同)相続人の状況によって
いろいろですが

大きく分けると

・欲しいのに貰えなかった場合

・いらないのに遺された場合の
二つです。

 

1 自分は欲しかったのに、貰えなかった遺言の場合

 

・他の相続人に
全員で遺産分割協議をするように
働きかける。

遺言は絶対、と思いがちですが
全員で遺産分割協議をして
遺言と異なる分け方をすること
可能です。

故人の遺志はどうなる!?
お思いでしょうが

この方法は法的にも問題はありません

 

・遺産分割調停を申し立てる

全員で相談することを提案しても
聞き入れてもらえない場合は
調停での解決を目指し
家庭裁判所に申し立てます。

 

遺留分侵害額の請求をする
(被相続人が兄弟姉妹であるときは
そもそも遺留分がないのでできません)

たとえば、相続人が妻と子だったときに
子に100%相続させる、という
遺言に対しては

妻は全体の25パーセントを遺留分として
請求できます。

 

寄与分の申し立てをする

(寄与分)
~民法904条の2

寄与分は

被相続人の事業に関する労務の提供
または財産上の給付
被相続人の療養看護
その他の方法により
被相続人の財産の維持または
増加について

特別の寄与をした相続人

が主張できるとされています。

 

・相続人に対して
不当利得(ふとうりとく)返還請求をする。

たとえば
相続人が生前から遺産を使いこんでいた
とか
遺産から不当に引き出して
自分のモノにしてしまったなど。

裁判にしてそれを取り戻す方法です。

 

2  自分は欲しくないのに、遺産をくれる、という遺言の場合

 

無視する(見なかったことにする)

名義を変更しなくてもさしあたって
困ることがないのであれば
放置です。

ただし
このように問題の先送りをしている間の
遺産は

相続人全員での共有状態ということに
なります。

不動産であれば、相続人全員に
固定資産税納付義務があります。
(法定持分で負担する)

 

・裁判所で相続放棄する
こうすれば、きれいさっぱりと
相続人ではなくなります

 

・複数の相続人がいるのなら
全員で遺産分割協議をして
遺産を欲しい人が相続する

遺産分割協議が可能であれば、
遺言の内容とは全く別の分け方が
できます。

故人の遺志の尊重という観点から言えば
言語道断かもですが

相続人全員が協議して
遺言内容とは別の結論を出したのであれば

それはもう、仕方ないことですね。
ご本人は死んでしまったわけですから。