売買したのに、登記がされない

土地を買ったのに、いつになっても
登記がされない

 

土地を買った(つもり)なのに、
いざ、登記簿を確認したら(なんと)
登記がされてない!!!

元地主の名前のまま。
聞いたことのない人の名前のまま、のこともあります

 

こうした場合、
登記がされていない理由はいくつかあります

 

司法書士がいれば問題なかったかも

 

ただ、基本的に、司法書士が介在していれば
このようなことは通常はありません。

売買の条件が整い、登記の条件が整い

すべての準備がOKと、いう段階で
ゴーサインを出すから、です。

 

なので、ほとんどの決済には、
司法書士が同席します

なんなら、近頃は契約の段階から、
司法書士の同席が要請されることもあります

しかしこの段階だと、基本的に司法書士の仕事はないので、その場にいても役に立てないことが多いです。
ただ、この契約条項はまずいのでは?、というときに、注意喚起をすることが求められているのではないかと思うのですが、

実際にそこで口(くち)を出すことが許されるのかは、また別の問題です。下手に口を挟んだがゆえに、結果として取引を中止に追い込んでしまったこともあります 危ない取引を未然に食い止めたわけですが、特に誰からも感謝されるわけではないという。。。

 

仲介業者が関わっていればほとんどの場合
司法書士が登記を行うことになります

 

なので、

売買したのに、登記ができない

このような問題は
当事者~仲介不動産業者~司法書士という流れに従っていれば通常は起こりえないことなのですが。。。

 

個人間売買とは

 

近年は、俗に、
個人間(こじんかん)売買と称しますが、
仲介なしで、直(ちょく)で。という趣旨。
また一段とこのケースが多いように見受けられます

ですが、これを進めたいと思っている方に一言申し上げます

「これから売買をしようと思っているのでまずはどのような手順で行ったらよいのか教えてほしい」
せめてこの段階でご相談ください。

話がかなり進んでしまってからご依頼いただいても、ご希望に添えるかどうかは微妙です

 

 

初期段階であれば、
登記ができない時は
そのようにお伝えできますし

登記ができないのに
多額のお金を支払ってしまった、しかも、
所有者ではない人に(なんと!)。
などという悲劇を未然に防ぐことができるからです。

 

ところが残念なことに、

「売買も終わってあとは登記だけなので、
頼みたい」
というご依頼はけっこう多いです
(仲介業者なし)

この場合、一般の人が
「売買も終わって」というときは、
口約束に従ってお金を支払ったというだけ
のことが多いです

 

なので、

契約書と領収書のコピーを戴きたい、とお願いしても
どちらも作成していないこともあります。

それでも領収書はあることが多いですが
金額と、売り渡した側の氏名が書かれているだけのものがほとんどです。

多額のお金を支払ってしまって、
売買契約書も交わしておらず、
領収書ももらってない、というようなときは

早目にそれがわかれば、
互いの記憶が新鮮なうちに、それらを
作成することもまだ不可能ではありません
(後日のために)

ですが、
これも相手方の協力あってのことなので
この時点で拒まれたらアウトです

通常、支払が済むまでは協力的であっても
代金授受が済んでしまうといろいろ面倒になるものらしく、特にこうした事務仕事に協力をしてくれない人もいます。

 

売買して、登記をしないで(できないで)
数年経過してしまったら、

もう、何が何なのかわからないと思った方がよいです。

人の記憶というものはそのようなものなので
(私だけ??)そういうことがないように、
書類を作成し、後日のための記録を残そうと努力するわけです

 

売買したのに、登記がされない理由

 

1  騙された
そもそも所有者ではない人に不動産代金を支払って売買が完了したと思い込んでいた場合など

2  そもそも登記をしようとしなかった

売主側が登記をしてくれるというので任せていたら司法書士を頼まなかったため、
何かの不具合で登記に至らなかったそして
そのまま放置

3  農業委員会の許可がない

許可申請の方法がわからなかったが、
いずれにしても代金支払いが済んでいるので
大した問題はないだろうと放置

4 大きな土地の一部分の売買

ここからここまでを売買した。

分筆はしていない。さらに隣地との境界が
あいまいだったりすると

分筆には、多大な時間と費用がかかりそう。
いずれにしても、土地の一部分の売買は
不可能と言われ。放置

5  司法書士に依頼してみたが。

司法書士による当事者の意思確認ができなかったために登記ができなかった。

その際に「登記をしなくても代金支払い済みなので所有権は移転している」との不正確な説明をうけて、それで納得し、
登記がされていないことを失念し放置

 

どうしてこんなことに。。。

 

どうしてこのようなことになるかは、次のような理由によります

 

1 登記費用を節約したい

登記は司法書士に頼まなくてもできますよ。という意見があるため、

登記費用がもったいないので、自分たちで
法務局へ行って登記をしようと当事者間で
話がまとまった。

このようにしても登記費用はゼロということはないです。つまり登記の際は登録免許税を納めないと登記ができないので。
ただ、司法書士の報酬部分は当然、ゼロになります

うまくいくときもありますが、
どうにもならないこともあります

 

2 仲介費用を節約したい

登記ができない土地を売買してしまうということは、

つまりは、
不動産業者に支払う仲介料がもったいないので、仲介は入れないで自分たちだけで契約と登記をしようしたがゆえの悲劇です。

専門家なら、そこは
売買できない土地(又はそのような売買は不可能)だということを予め伝えてくれるわけですが、
そこは素人同士の悲しさ。

あれよあれよという間に、代金全額を支払い
このタイミングで司法書士を訪ねることもありますが、このまま法務局に登記に行って
あえなく玉砕することが多いと言われます。

 

3 いわゆる世間知らずだった

売渡人と称していた人は(悪意はおそらくないかも)
所有者本人ではなく、

その弟だったり、息子だったり。

そして所有者本人は長年寝たきりでほとんど意識がないとか。

このような状態の時は、当然、
登記は不可能なわけですが、
司法書士費用も仲介費用も節約しようと思っていると、この罠にひっかかります

どうしても登記がしたいときは、このような状態でも絶対にできないとは言いませんが、
(司法書士にはできません)
どうにもならないことがほとんどです。

ですが、この状態であれば、
むしろ登記ができない方がのちのためです。
所有者ではない人からの登記は無効なので。

 

では、どうすればよかったのか

 

登記費用の節約に関しては、気持ちはわかります。

おそらく、私が自分でオイル交換をしてみる
という感じでしょう。または、タイヤの
ローテーションを試みるなど。
どっちも難なくできる人もいますが、
素人には非常にハードルが高い冒険です

 

ですが、そもそも登記に至ることが
不可能な土地だったり

名義人ではない人からの売買だったりは

もう、後の祭りというか、あとで
気が付いてもどうにもなりません。

 

決済の前であればそれらを説明して、
売買をストップしてもらうことになりますが

すでにずっと前に代金全額を
支払ってしまったとか、そのようなことだと
売買契約を解除してお金を返してもらうしかないです。

が、すでにそのお金は借金返済にあてたり、
使ってしまって残ってないという場合は、
どうにもならないことになります

 

契約を解除する(売買契約書なし)

 

売買契約書を作ってなくても、売買契約は成立します

なので、契約書がなくても、
契約解除をすることはもちろん可能です。

ただし、授受済みの代金の返済について、
さらに、損害賠償について、
ハナシがまとまらなければ裁判ということになるのかと思いますが

裁判で勝ったとしても
ない袖は振れないわけなので、
どうにもならずに泣き寝入りすることになるかもしれません

 

(催告によらない解除)
民法542条
次に掲げる場合には、債権者は、前条(541条)の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる

1 債務の全部の履行が不能であるとき
2 以下略

(解除の効果)
民法第545条
当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない
2 その場合返還すべき金銭には受領のときからの利息をつけること
4 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない

 

まとめ

 

仲介業者も司法書士もそれぞれのプロです。
必要があるから存在している専門家ということです

一見すると何も大したことはしていないように見える場合がある決済の場で座っているだけ!とか
かもしれないですが、
水面下では、取引が安全に行われるように
心を砕き、細心の注意を払っています

 

では、どうしたらよいですか

 

かなりの額の売買代金を支払ったのみならず
すでに建築予定で図面も引き終わり
ハウスメーカーに契約金も支払い済み。
なんとか登記をしてもらわないと困る。

などと泣きつかれても、
できないものはどうすることもできません。

 

土地を買いたくなったら、
直接のやりとりをする前に、まず
仲介業者を捜しましょう。

それが面倒なら、せめて、
司法書士に相談なさってみることをお進めします

 

売買登記のご相談はどうぞお気軽に。