権利証に表紙がついている理由

 

権利証に仰々しい表紙がついている理由 資源の無駄では?

 

業者さんなどから、

「表紙も何もいらないから識別情報(通知)だけ頂戴!資源の無駄だから」

と言われることがあります。

 

業者さんなので、資源の無駄という言葉は実感あります。

たしかにひとつの決済が終わると保管すべき書類の他に廃棄した方がいい(もっていても将来必要があるとは思われない)書類が大量に発生するからです

 

たしかに重要であり必要なのは、識別情報だけかもしれません。

表紙をつけて、さらに申請時に使用した書類の写しや評価額のわかるもの、注意書きを書いたシートなど、いろいろ合綴してる部分が本当に必要なのか、と言われたら微妙です。

 

ですが、個人の方の(転売目的ではないという意味)登記識別情報通知については それなりの重要感と存在感があったほうがよいのではないか、と思うものです。

たしかに権利証や登記識別情報は、不動産の権利それ自体ではないというものの。

また、識別情報にいたっては、1筆についてA4(弱)の紙1枚なので それだけではどう考えても心もとない 紛失防止のためにも というある種の責任感からつけています。

 

これが、A4の紙1枚だったら、どおでしょう?

 

 

登記が完了して識別情報通知をお渡しする時に
大事なものだから失くさないようにしてくださいね」
と説明します。

 

重要なものなので、大事に扱ってほしいです。
紛失してほしくないし、しまい忘れるのも勘弁してほしいです。

 

それでも紛失する

にもかかわらず、登記識別情報通知を紛失してしまう人がいます。

つまり、いろいろと説明してお渡ししているのに紛失してしまうわけです。
さらに登記完了後にそれを受領していることを憶えていない人もたまにいます。
それらを考えると、せめて紙の表紙くらいはつけるべきなのでは と思ってしまうものです。

 

A4の紙が一枚ペラーッとあるよりも、もっと重量感があったほうがいい それにつきます。
無くしてほしくない、それだけです。

その方が紛失防止のために絶対有効なはず。

 

というわけで、数枚の重要書類(的なもの)及び登記の成果物と併せて
登記識別情報通知を合綴しています。

 

以前(ずっっっとまえ)は、権利証は
ホチキスではなくてコヨリで綴じていたようです。

当職も二十数年前の開業時に、コヨリを100本単位で購入しました
程なく、穴を開けてコヨリで閉じるよりもホッチキスで綴じた方が遥かに楽なことに気づきましたが すでにその時は私ばかりでなく業界全体がコヨリからホッチキスにシフトしたかのようでした。

私が研修を受けた老舗事務所がたまたまコヨリ好きな事務所だっただけなのかもしれません。数十年前の他の事務所の権利証をみると、けっこうホッチキスどめをしているところも多いので。

でも、ホッチキスよりもコヨリ綴じの方が重要書類感高級感はあります。
やたらに外されにくいので
大事な書類はぜひこれで綴じたいものです。

 

コヨリをご存知ない方のためにコヨリの説明を。

コヨリは、紙を細く巻いたもので、書類を合綴する際、千枚通しなどで穴を開けたところに、これを通して、結ぶ。
コヨリは、反故紙などを用いて作るものですが、これもかなりテクニックを要するものなので
最初から「コヨリ」として売られています。素麺のような感じ。
ちなみに当職が秘書の専門学校で最初に教わったのは、コヨリの作り方でした。大昔の話です。

 

で、表紙の話ですが。

 

不要な方は事前にお申し出下さい。

「重要書類」と金箔を押した乳白色の
ビニール袋に入れてお渡しします。