ハンコを押して!

ハンコを押してください。
押すときは、はっきりくっきりと。
近頃は
日常生活において
ハンコが必要とされる場面は
どんどん減ってきています。
かつては、役所での手続きなど
(各種証明書の請求とか)必ず押印を
求められたものですが
しょせん、認め印なので廃止されました。
本人でなくても誰でも押せてしまうので
ハンコを押す意味がないということで
あったかと思います。
認め印でよいということは
朱肉さえついていれば良いということと
ほぼ同じ意味なので
どんな風に押されていてもとりあえず
ハンコが押されていればよし、という
感じでしたね。
廃止されたのも頷けます。
不動産登記では
ところが、不動産登記においては
所有権者が登記義務者の場合は
委任状に実印(役所に届出をした印鑑)
での押印が必要です。
当然印鑑証明書も求められます。
登記義務者とは
その登記によって権利を失う人。
不利になる人のことです。
売買なら、売主
贈与なら譲渡人
抵当権をつけるならその不動産の所有者が
それぞれ登記義務者となって
委任状に実印を押し、印鑑証明書を
添付します
あとは、遺産分割協議書にも
相続人は合意の証として実印を押します。
その協議が真正に成立したことを
証明するためです。
簡単に認め印でもOKとなったら
相続人にわざわざハンコを貰うまでも
ないことなので、簡便でラクでいいですが
偽造があまりにも簡単です。
なので、
万が一にもそのようなことがないように
後日のために
(押した覚えがない、とか主張されないように)
全員の実印での捺印がいるとされています。
このように、日常生活では
あまり用いられなくなりつつあるハンコは
いまだに不動産登記の世界では
生き残っています。
ハンコの押し方
私の面前で捺印していただくときは
何か問題があればその場で
押し直しをお願いできますが
郵送で書類のやりとりをするにあたっては
簡単にはいきません
ハンコは文字と重ならないように
鮮明に押して
とお願いしていますが
どうやら、市役所や新聞申し込みの際の
朱肉がついていればいいんでしょ?
のようなハンコの押し方をすることが
スタンダードとなってしまっている模様で
鮮明に!とお願いしても
こちらが望むようなくっきりした印影が
得られるとは限りません。
ところで登記権利者(買主さんとか)の印鑑のようにみとめ印でOKとされているものは要は朱肉さえついていれば実質OKです。印鑑証明書と照合するわけではないので。
極論ですが、ワタクシ片岡が、登記の際に山田のハンコを押したとしても登記所からは何か言われるかもしれないですが却下されることはないだろうと思います。
試したことはないですが。
いつかは、この件、試してみたいと思いつつ
はや30年が経過してしまいました。
依頼を受けた仕事ではさすがにそれは
お願いできないので
自分のことで試してみるしかないわけですが
自分のときは自分のときで、やはり
大過なく完了したいという欲があるため
貴重な機会を数回逃しました。
もう、機会はないかもしれないですが
もしも家族に登記する機会があったら
それを提案したいと考えています。
で、
実印での捺印が求められるときは
印鑑証明書もセットで要求されている
はずです。
そのことの意味について
真剣に考えていただきたいと思うものです
どうして、印鑑証明書を
添付するのでしょうか。
それは、書類に押した印影が
印鑑証明書で証明されている印影と
同一であるかどうかを知るためです。
印影が同一かどうか、がポイントです。
明らかに異なるハンコを使っていた場合は
当然押し直しをお願いすることになるので
ほとんどのお客様は
快く応じてくださいますが
一方、押し方がよくなかったときに
それを指摘した際に
実印を確かに押しているのに
これのどこが気に入らないのか?
とおっしゃる方もおいでです。
わかりますよ。
でも押していただくのは
役所や新聞申し込みの際のハンコ
(いわゆる認め印)ではありません。
実印をお願いするからには
それなりの事情があるのです。
同じ印影が欲しいのです。
かすれていたり、にじんでいたり、
ゆがんでいたり
印鑑証明書の印影と同一でないものは
目的にかなったものではありません。
どうか鮮明に押してください。
また、しっかりと押してあるのに
印影に問題がある場合もあります。
たぶん、お手元に朱肉が
ないのではないでしょうか。
あったとしても
印鑑ケースに付属の
小さくて乾いた朱肉で押したであろう印影が
散見されるので
おそらく朱肉をお持ちではないのかと
推察します
また、お持ちであったとしても
古い朱肉の場合は
油が分離してしまってることがあります
印影が油たっぷりだと
さっき見たときはかろうじて
照合ができたのに
数時間のうちに
べったりと油がひろがって
照合どころではない、というような状況に
なることもあります。
こうなってしまうと、おそらく
実印が押されていることは
想像に難くないですが
印鑑証明書と照合することはかなり困難です
登記~会社法人の登記では
商業登記(会社・法人)においては
捺印が不要とされるようになった書類が
いろいろあります。
ただし、これはあくまでも
登記用の書類について不要
とされたにすぎません。
実務上は、書類の真正担保のために
各種書類、特に議事録や証明書のような
ものについては、
それなりの印鑑を押すことが慣例です。
お客様には
法(商業登記法)が求めていないとしても
それなりの印鑑を押すようにご案内します。
後日のため、
将来何か問題が生じたときのためにです。
会社の書類にハンコ、特に
実印が押されていないと
本当にその会社の
作成権限のある人によって作成されたか
どうかがわかりません。
さらには、
書類が真正かどうか不明だとしたら
つまりはその書類の根拠となる
総会や取締役会が
きちんと法に則って開催されたものかどうかも
非常に疑わしいことになります。
会社の登記にも実印を押す必要がある場合と
認め印で問題ない場合とありますが、
こちらもまた実印を押すに際しては
不動産登記と同様の注意が必要です
文字と重ならないように、鮮明に実印
(登記所に届けてあるもの)を
押してください。

千葉県茂原市の司法書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験30年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。