嫁は他人か

嫁は他人か

 

義父が亡くなった

 

財産をもっている人が亡くなったとき、

遺言などがないときは、法定相続人全員
(配偶者とか、子どもとか、相続権のある人のこと)で、
故人の遺した財産や債務について
「遺産分割協議」をすることになります。

全員で、というのは、戸籍がその基本になるので、
戸籍の記載をもとに相続人をわり出し、
誰に相続権があるのか、明確にします。

法定相続人とは

 

相続人の範囲は、民法で定められています。
まず、誰が分割協議に参加する資格があるのか、
そこがはっきりしないと、というか、
間違っていたら、せっかく協議が成立したとしても、
その協議は無効です。

なので、
まず、
だれに分割協議に参加する権利があるのか、
はっきりさせましょう、ということですね。

 

遺産分割協議をする

 

  • 戸籍上記されたすべての相続権ある人が集まって、
  • 財産や債務について、
  • 誰が何を引き継ぐのか、
  • 引き継がないのか、などを相談します。

    協議に参加してはいけない人

     

    認知症などで意思能力のない人は、
    分割協議に参加する事ができません。

そのあたりが微妙な方は、将来の争いのもとになるので、
成年後見人を選出してから協議を行った方がよいと思います

協議書を作成する

 

協議が調ったら、同意したことを証するため
及び将来にむけて、その証として遺すために
署名捺印をします。

 

やっぱり自筆の署名で。

 

特に税理士さんの作成した分割協議書は、
記名(印字したもの)と捺印
であることが多いです。

 

おそらく、相続税の申告等に使用したりするので、
作成通数が多いためではないかと思いますが、
これも将来の争いの種になりがちなので、
出来る限り自筆での署名をおすすめします

 

そんな話は聞いてない

 

で、「そんな内容ではとうていハンコは押せない」
というような内容の協議がされたとき。

さあ、あなたがその立場に立たされたとしたら
どうなさいますか。

私はもっと欲しい、とか、
独り占めしてずるい!とか、
反対の意見を表明しますか。

 

当事務所周辺には農家が多いので、
農家の相続であれば、
家業を継ぐ人が、田畑及び自宅も一人で相続なさる
ということが多いです。
(30枚畑があるからといって相続人5人で6枚ずつ分けたら、
農業はできなくなってしまいます。)

 

ですが、家族仲が良ければ問題ないのでしょうが、
心にわだかまりを持ってる人は辛いです。

例えば、

 

  • お嫁に行く時アタシだけ何も持たせてもらえなかったとか、
  • お兄ちゃんだけアメリカに留学させてもらった、
  • 弟だけ大学いかせてもらったりしてずるい、

とかいろいろと、
この時とばかりに積年の思いが噴出します。

 

さあ、そんな中で、家の存続のためと言われて、
納得できない協議書
署名捺印を求められたら

 

どうなさいますか。

 

上記の、
大事にしてもらえなかったと思ってる実子であれば、
仕方がないかもしれません。

 

親は、
食べさせてくれて、
寒くないようにしてくれて、
とりあえずは一人前にしてくれたのですから。
それ以上を望むのはひょっとして、
贅沢でわがままなことなのかもしれません。
(そのように考える人も多いです)

そこで、家の存続のために我慢するのもよし。
でも、相続分をあくまで主張して、
徹底抗戦するのもありです。

 

いっそ、他の相続人に長年の恨み、とばかりに
思いの丈をはきだしてみたら、どうでしょう。

案外、雨降って地固まる、かも知れません。
ぐちゃぐちゃになるかも知れませんが。

いずれにしても、家の存続 も大事ですが、
生きている人間の感情の方が大事なのではないですか。

(思わず力が入ってしまいました。。。)

 

しょせん、嫁は他人なのか

 

さて、アナタが、
お嫁さんだったらどうしますか。

 

他の相続人の間ではすでに協議が整っていました。
アナタは、どうしたことか、
今の今まで一言の相談もされず、
今日いきなり目の前に協議書を突き出されたとしたら?

 

義父を介護した10年間

 

もちろん、内容は、
嫁のアナタは何も相続しない、
というものです。

 

このほど亡くなった義父を
10年以上一人で介護してきたのはアナタです。

夫は義父よりも早くに亡くなってしまいましたが、
介護の必要な義父を一人で
遺しておくことができないままに
再婚のチャンスも振り切ってきました。

義父はアナタを不憫に思い、
養子縁組の手続きをしてくれてあります。
(なので、今回、協議への参加を求められているのです)

 

やさしくしてくれた義父のことを考えると
わがままをいうことはできないのかも、
と思います。

でも、10年以上、
昼も夜も介護に明け暮れた日々を、
このハンコひとつで捨て去ってしまう。
それでは、あんまりな気もします。
封建時代ではあるまいに。

 

署名するように迫った義兄義姉は

「嫁さんなんだから押してもらわないと」
困る、そうです。

 

闘いますか?

 

大変にお気の毒ですが
他の相続人が全員で押印を迫ってきているとしたら、
できることは一つしかありません。

 

納得できないなら、
闘う、のです

 

分割協議書に判を押す代わりに、
家庭裁判所に分割協議の調停を申し立てることです。

 

面倒なら、
一人では心もとないのなら、
弁護士に相談してみることです。

 

皆それぞれに理由があり、それは、
人それぞれとしか言いようのないものです。

そこには、
納得できない理由、
しか存在しないこともあります。

 

そのような時に、
争うことは故人が望んだことではないはずだ、
と思える方は、その心に従うことが善だと思います。

 

しかしながら、
故人はアタシにも財産を遺したかったはずだ!
とお思いの方は、

手段の全てを尽くして闘ってみてください。

 

片岡 えり子

千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。