農地を売買する

農地を売買する

 

農地とは、田や畑などのことです。

 

登記簿上の地目がこのような農地であると、そのままでは、所有権移転登記ができません。(相続登記はできます)

 

地目(ちもく)とは

土地がどのような状況であるのか、どのような目的で使用される土地なのかを定めたもの、のことです。登記されています。

 

地目の種類としては、たとえば、

 

  • 宅地(家が建っている。家が建てられる土地)
  • 原野(耕作しないのに雑草、かん木などが生えている土地)
  • 山林(耕作しないのに竹や木が生えている土地)

 

などがあります。

不動産登記事務取扱手続準則第68条によれば、23種類あります。

 

ちなみに、土地の登記簿には、


所在 茂原市神林字事務所

地番 18番41

地目 宅地

地積 18・41㎡


このような感じで記載されています。

 

この、上から3番目の地目部分に田とか畑などと記載されている限り、売買や贈与による所有権移転登記は出来ません。(相続登記は問題なくできます)

 

農地を売買したい。どうすれば?

 

その際は、最寄りの農業委員会に行き、許可を受ける必要があります

農地法3条、または、5条の許可をもらいます。

 

申請してから早くて1ヶ月余、3,4ヶ月かかることもあります。

状況によっては、許可証が出せないと言われることもあります。

そもそも農地法というのは、農業を発展させ、国民の食料の安定供給を図る目的で作られている法律です。

だから、隣の農家に畑を売る、というような場合は問題なく許可がされても、裏の畑を開発して宅地として分譲でもやるかな、というような場合は許可がされにくい、ということになります。

 

 

 

でも、

どうしてもこの農地を我がものにしたい。しかも、すぐ。

(この場所が必要なので、他の人に絶対に売られたくない)

 

または、

どうしてもこの畑を売って現金にしたい、しかも、今すぐ。

 

 

 

以上のような場合、地目が農地のまま、しかも許可も受けていないのに、

そもそも売買は可能なのでしょうか。

 

土地売買契約書をつくる

 

ほとんどの場合は、土地の売買契約書を作成するときに、

そこに農地であることの特約条項を入れます

 

特約とは

 

  • 許可書申請に際して互いに協力すること。とか、
  • 万が一許可書が出なかった場合は、白紙撤回する。

 

などと書いておきます。

ですが、この状態で売買代金の全額の授受がなされることは稀です。(農地法違反となるため)

 

許可書が出ていない以上、所有権移転登記はできませんが、買主の権利を守るためにできることがいくつかあります。

 

仮登記をする

  • 所有権移転請求権仮登記、または、
  • 条件付き所有権移転仮登記(条件農地法5条の許可)

などの登記をすることが多いです。

 

しかしながら、仮登記(かりとうき)というくらいなので、あくまで、仮(かり)のものです。順位保全効果はありますが、本登記をして初めて効果が発揮されるわけで何が何だかわからない効果です。

 

しかも、本登記をしないままで10年経過すると、最悪の場合、権利は時効で消滅してしまいます。

勝手に登記簿から消えるわけではなく、また、職権(申請なしで、登記をしてくれること)で消してもらえるわけでもありません。

当事者の共同申請が必要です。(相手方が登記に協力してくれなければ裁判ということになります。)

 

というわけで、このような時に仮登記をつけただけでは、買主の権利が完全に守られるわけではありません。

時効消滅しないまでも、数年たって、所有者が死亡し、長男に相続登記がされて、長男は、農地法の許可を取得した第三者に売却し、所有権移転登記までされてしまう、ということも起こり得ます。もちろんこうした時に(勝手に消えるわけではないので)仮登記の存在が問題にならないわけではないのですが、仮登記があっても所有権移転登記は普通にできるので、誰かが気づいてあげない限り、 第三者に移転されてしまいます。

 

では、どうするか。

公正証書をつくる

 

当事者二人で公証役場へ行って、きちんと作った売買契約書を公正証書にしておく、という手があります。執行認諾約款(しっこうにんだくやっかん)付きで。

後に何かの不手際があって裁判を起こすことになった際に、公正証書はこの上ない証拠になりえます。ましてや執行認諾約款がついていれば、新たに裁判を起こすまでもなく、売主の財産について強制執行を申し立てることができます。

 

抵当権の登記をする

 

あとは、売買代金相当額を買主から売主へ貸し渡した、という抵当権設定の登記をする、というのもあります。

売買契約はあくまで農地法の許可を条件としているので、それまでの間、売買はできないけど、その分の代金を貸し渡し、担保としてその土地に抵当権をつける、という具合です。

これなどは、売主に相続が発生し、誰かにこの土地が売却されてしまったとしても、抵当権も勝手に消えるわけではないので、常に競売を申し立てることができます。仮登記だけをつけるよりも遥かに安全だと思います。

 

農地の売買でご心配な方は、どうぞお気軽にご連絡ください。

片岡 えり子

千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。