遺産分割調停を申し立てる

遺産分割の調停を申し立てるとは?

 

財産を持った人が亡くなったあと、
その方の財産の名義を変えるために、
遺産分割協議が必要になることがあります

遺産分割調停は、
遺産分割協議ができないとき、
に それにかわるものです。

 

遺産分割協議のいらない場合
  • 相続人が一人しかいない
  • 遺言がある
  • 実際に相続する人以外は特別受益者である
  • 実際に相続する人以外は相続放棄をした(する)

※特別受益者とは、すでに法定相続分に相当する贈与を受けているので、相続する財産がない人のこと(民法903条)

 その旨の印鑑証明付きの証明書を作成して証明をします

 

それらの事情がない限り、遺産分割協議をしないと、故人の遺産を相続人の名義にすることはできません。

遺産分割協議書はどのように
  • 遺産分割協議自体は全員で同時に
    しなくても有効です
  • 持ち回り式で順番に署名捺印をしても
    OKです。
  • 一人一枚の遺産分割協議証明書を
    相続人全員が作成するというのもアリです
  • いずれも本人の実印と印鑑証明書が
    必要です

書式様式はいずれにしても、全員の意見の一致があることが大前提です。

 

ですが、どうしても納得してくれない相続人や、はたまた協議に参加してくれない相続人もたまにいます

もっと欲しい、というのならまだわかりますが

何もいらないからもう関係ないから手続きにも一切関係したくない電話しないで絶対に

という方もたまにいます

 

こうなると、
全員の合意と署名捺印印鑑証明書が揃わないので遺産分割協議書を作成することができません。

 

時間を置きましょうということで、何年も、10年も20年も話がまとまらないことさえあります。その財産を取得することを期待している相続人は、その財産を活用することができません。

 

そんなにゆっくり構えていられないわ、という人は
さあ、調停を申し立てましょう

 

申し立てる裁判所はどこ

調停は、相手方(協議に賛成してくれないひと。参加してくれない人)の住所地の家庭裁判所に申し立てます

 

申立書と必要書類

窓口に書式があるので、書記官に聞きながら申立書を作成します

(司法書士も調停申立書の作成はいたしますよ)

  • 収入印紙が1200円分
  • 郵便切手 相続人が4人なら合計2520円
    (切手は千葉家庭裁判所の場合)

切手は組み合わせの額面が決まっているので、申し立てる裁判所に必ず事前に確認しましょう

 

必要な書類

  • 被相続人および法定相続人の戸籍一式
    (相続権のある人全員を網羅するために、被相続人の戸籍は出生または12歳くらいから死亡までのものが必要です)
  • 法定相続人全員の住民票または戸籍附票
    ※戸籍附票とは、本籍地の市町村で、戸籍原本といっしょに保管されているもので、現住所が附記されたもの。住所の登録を変更するたびに本籍地に連絡が行き、現住所が記載されます。改製がされない限り、10回引っ越しをしたら、その10回の住所と移転日が記載されていきます。なので、住所地の役所ではなく、本籍地の役所で取得します
  • 遺産に関する書類

不動産の謄本(登記事項証明書)
固定資産評価額証明書
預貯金通帳の写しまたは残高証明書
有価証券写し等、等

 

期日(きじつ)の連絡

申立が受理されてしばらくすると、裁判所から期日(調停を実施する日時)の連絡があります

 

調停期日

調停委員会は、民間人である調停委員2名(通常は男女1名ずつ)と家庭裁判所裁判官の3人で構成されることが多いです。

 

調停委員は、民間人ですが身分は非常勤の国家公務員特別職
よって、守秘義務(調停の場所で知ったあれこれを他言してはいけない)があり、国家公務員と同様の制限を受けます
(選挙活動の禁止とか、利益供与を受けると収賄罪になるとか)

 

ちょっとイメージしてしまうかもですが、
申立人と相手方と調停委員が同席する場で
いっしょに話し合う、という形は
一般的にはありません。

 

 

  • 基本は、申立人だけの話を2、30分聞き、退出した後、今度は相手方だけの話を2、30分聞き、退出後、また申立人の話を聞き、退出後、相手方の話、というように
    交互に、別々に調停委員2人が話を聞き、それをもう片方に伝えるという形で進行します。
  • 1回の期日はおおよそ2~3時間くらい
  • 約1ヶ月後を目処に次回の期日を決めます
  • また、それぞれ調べてくることなどの課題を持ち帰り、次回に再び、このように交互に話し合いをします。
  • 通常4,5回で何らかの決着をみます。
    (成立か不成立)

たった一回で、不調(調停で合意できなかったという意味 調停が不成立)で終わることもあります

調停前置主義というものがあって、これは裁判を起こす前には必ず調停手続きを経なければならない、というものです。この場合は、裁判を起こすためだけに調停を申し立てることもあるようです

 

また、呼び出されたのに出席しない相手方もいます

(実質、罰則はないらしい!)

法律上はきちんとした理由なしの欠席は、5万円以下の過料というきまりがありますが、運営上は罰金が課されることはほぼないようです
家事事件手続法258条による51条の準用

次回はなんとかして出席するように、裁判所書記官から働きかけてくれたりしますが、絶対どうしても関わり合いになる気がない、との硬い固い信念を持った人は、頑として出席しません。

話し合いができないため、調停は不成立ということになります

 

審判への移行

このようなときは、
遺産分割調停の場合はそのまま審判に移行します

審判官(裁判官)が、原則としてほとんど法定相続持ち分での遺産分割の審判をします。(だから公平である代わりに全く満足できない当事者もいます)

異議がなければ2週間で確定し、確定したら、それをもって不動産であれば、所有権移転登記(相続)が可能となります。

このような時の審判内容は、調停裁判所と同じところで行われるので、調停の延長のような感じです。なので、紛争の内容を熟知した裁判官によって当事者の利益を害さず、できるだけ全員が満足できる形での審判がされます(例外もあります)

なので、

たとえば、
不動産を相続したい相続人Aと、
それはいいけど関係ないので協力はしないよという相続人Bの間では
「不動産はすべてAが相続する。その代償金としてAはBに対して〇〇円支払う」というような審判がされたりすることが多いです。

 

この審判に対して満足できない人は、即時抗告というかたちで異議を申し立てることができるので、さらにまた、気の済むまで戦うこともできます

 

ですが、関わりになりたくないというような事情があった場合は、2週間の期間を経て確定し、望み通り、その人は一切の負担なく、申立人は、希望どおりの不動産を相続することができるわけです。

 

そもそも調停とは何?

調停は、裁判所で行われるため、裁判官の判断を無理やり押し付けられるような気がするかもしれません。
しかし、そうではありません。

調停は、あくまでも、調停委員が同席する話し合いの場です。

調停委員は中立の立場なので、どちらかの味方をするとか、一方的に解決策を押し付けるというようなことはしません(ということになっています)

 

当事者同士では、どうしても感情的になってしまったりしてうまく話し合いができないということが多いですが、
だからこその調停です

また、DVなどのために相手の前だと激しく緊張萎縮して言葉がでなくなってしまったりということがありますが、調停においては、別々の場で行われるため、これらの心配はありません。

 

さらに、DV加害者に会ったら何をされるかわからない、という実際に身の危険を覚えるような案件もあるわけです。そのようなときは、裁判所内ですれ違うことも心配です。その際はそれなりの安全策を裁判所でしてくれます。

帰宅時間に配慮したり(先にDV被害者を帰宅させる。逆に先にDV加害者を帰宅させると待ち伏せされる危険性あるため。)本来同じ部屋で交互に調停をするところ、わざわざ別室を用意したり、それなりの防止策をとってもらえるようです。

また、待合室はそもそも申立人と相手方は別室なのですが、これをさらに工夫して絶対に接触しないですむように何とか知恵を絞ってくれています

遺産分割調停においても、DVほどの危険は生じないにしても、骨肉相食むという言葉があるように、感情的になったらどんなことをやるかわからない、という恐れがある場合は、やはり、それなりの安全策を講じます

このようにして、できる限り安心安全な、心をひらいて話し合いができるような場を設けているのです。

 

調停委員を交替してもらえる?

ただ、まれに、どうしてもこの調停委員はウマが合わないというか、この人には本音は言えない、絶対イヤ、ということがあります。生理的に無理とか。

または、どうもこの調停委員さんは私のことが嫌いなのではないか、という気がすることもあります

頭が固くて状況を理解してもらえない、と感じることもあるかもしれません(調停委員はそれなりの年配者がほとんどです大体40歳から70歳くらい)

このようなときは打つ手はありません。
制度上、他の人に変えてもらうことはできません。

諦めて、
調停を取り下げるか、
不成立にしてもらうか、

弁護士についてもらうか(出席しないで、代わりに弁護士に調停の場に出てもらうわけですね)しか、ないと思います。
残念ですが。

 

調停が成立すると

あくまで、話し合いで決めることなので、当事者の合意があれば、不法なことでない限り、それを内容とする調停が成立します。

 

調停が成立すると、調停調書というものが作成されます。


不動産の名義を換えたいとき
は、この正本をもらって、(枚数に応じて費用がかかります。また、作成の都合上成立したその場で受け取ることはできません)手続きをします

まとめとして

ちなみに、遺産分割調停が成立したということは、もはや、遺産分割協議書が不要になったということです。

誰の印鑑証明書もいりません。

 

必要なのは、住民票と、あとは司法書士に委任するなら委任状くらい。

また、判決や審判と違って、確定ということはありません。

当事者の合意で調停が成立するので、判決などのように、わざわざ2週間の期間を設ける必要がないからです。

 

司法書士は、調停申立書の作成を
することができます

ご連絡お待ちいたします。

片岡 えり子

千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。