遺言書が必要な理由

どうしても遺言書を
書かないといけない理由

 

推定相続人たちは皆、仲がよい。
妻のことも、いつも大事にしてくれて
とても丁寧に接してくれている。

あとのことは、しっかり頼んであるので
誰かが妻を困らせるなんてことは
想像もできない。絶対あり得ない!
(だから遺言書は書かなくても問題ない)

とお思いの方は多いです

コトバに出すことはなくても
内心ではそのように
家族や親族を信頼していることが多いです

それ以外に遺言書を作成しない理由が思いつきません

 

ですが

これが残念なことに
被相続人が死亡してしまうと

力関係と言っては身もふたもないですが
要するに
それまでとは劇的に
力関係が変わってしまいます

人間一人が
この世からいなくなるということは
そもそもそういうことなのですが

それにまして
あんなに仲良かったはずなのに

遺産を間において、血みどろの戦い
となることもあります。

これは遺産の多寡を問いません

おそらく、遺産がほしいというよりは
意地の張り合いというか
プライドを賭けて、という感じです。

小さい時もああだった、こうだった
結婚の時もアタシだけ云々。。
あなたは留学までさせてもらったのに云々

これがいわゆる争続の始まり
というわけです

故人は申し開きをしたくても
もうできません手遅れです

できれば、生前にじっくり
相続人たちと話し合いができれば
よかったのでしょうが、いつも
時間に追われていて、そこまで頭が
回りませんでした

死んでしまえば二度と話し合いなど
できないという
ことが
その時がくるまでは、実は
理解できないものかもしれません

 

遺産をどのように分けるのか
も大事でしょうが

生前に
昔の誤解(であるならば)を解き
言いたいことがあるのであれば
きちんと主張できれば良かったのに、と
思わずにはいられません

いずれにいても
死んでしまったら、もうあとの祭りです。

 

 

特に亡くなった被相続人が
一族の長的な立場で権勢を誇っている間は

相続人間での力の均衡もとれていることが
多いようです

その仲の良さを見ていると
ご自分が儚くなったときにまさか誰かが

手のひらを返したように
権利ばかりを主張したり
大事な妻を蔑ろにしたり

などということが起こるなどとは
考えられないかもしれません

 

例えば

子どもなし、配偶者あり。
兄弟姉妹あり。

このようなときは
兄弟姉妹にも相続権があるので
遺産分割協議をするにあたっては
兄弟姉妹全員に
参加してもらう必要があります

年をとると
兄弟たちとも疎遠になりがちだし
そもそも昔から折り合いが悪かった
というようなこともあります。しかも
その兄弟姉妹と実際に
遺産分割協議の話合いをするのは
配偶者です

 

また

全員で分けるほど
潤沢に遺産がある人ばかりでは
ないでしょう

遺産は
ささやかな住居と
当座の生活費程度の現金預金だけ。

というようなときに

配偶者に住居を相続させて
兄弟姉妹にはハンコ代程度を支払う
というような未来図を描く方が
ほとんどだと思いますが

現代ではそのように
情に厚い人ばかりではありません

特に、関係が遠くなればなるほど
法が認めた
法定相続分相当の金銭
要求されることが多くなります

関係が近くても要求する人は多いですが
遠い方が遠慮がないというか
容赦なく要求してくる、という
印象があります

もちろん潔く、相続放棄する方も
一定数おいでです

 

遺産分割協議をするためには
相続人全員(この場合は兄弟姉妹全員・
亡くなっていたらその子どもたち)
の同意を得る必要が
ありますが

法定相続分相当の金銭を要求されたら
その分の現金が用意できなければ
協議書に署名捺印してもらうことは
できません

 

ちなみに
法定相続分相当とは

遺産が自宅だけの場合に
自宅(敷地と建物)の評価額が
3000万円だとすると

配偶者の法定相続分は
4分の3なので、2250万円分です

残りの750万円を
兄弟姉妹で等分に分けることになります

5人いるとしたら、一人当たり
150万円の現金を用意しないと
ハンコは貰えない計算です

 

さらに、全員のハンコが必要なので
一人でも欠けていたら
分割協議はできません

特に昔は兄弟姉妹が何人もいることが
多かったので

行方不明の人がいるとか
熱帯雨林で働いているらしく
連絡が取れないとか
痴呆症で10年も入院しているとか
非常に険悪な関係で50年以上
口もきいたことがないなど。。。

ハンコがもらえなさそうな人が
このように何人もいることもあります

それでも、全員での協議が必要です

 

ですが遺言書があれば
遺産分割協議は
不要なのです

このようなときこそ
遺言書はマストと言ってもよいです

 

子どもがいない、という
場合だけではなく

相続人の中に行方不明者がいるとか
成年後見人がついてない痴呆症の人がいる
など

相続人全員での協議が難しいパターンは
いくつかあります。

そのようなときでも
遺言書がない場合でも何か打つ手は
あるでしょうが、面倒だし
費用も時間もかかります

 

遺言書を書けばすべてが丸く収まる
とまでは言いませんが

それでも、その一通が
配偶者の負担を軽くしてくれるかも
しれません

 

世界で1番簡単な自筆遺言書の書き方

全部、自分で書きましょう

自筆というのは
名前だけを自書すればよいという意味では
ありません

全文をご自分で書くということです
ご注意ください

このように書きます

 


遺言書

妻の片山まりにすべてを相続させる。

茂原市上の林1-8-4(本籍か住所を)
片山利江蔵   印(認め印で大丈夫)

2024年5月30日(日付はもれなく)


 

ご自分が当てはまるかも、とお思いの方は
ご参考にどうぞ。

当てはまらないぞ、ウチは大丈夫!
お思いでも

遺言書を作成してないとしたら
ぜひ、ご参考に。