遺言無効!と訴えられた
いきなり
その遺言は無効だ!と言われたら
どうしたらよいでしょうか
たとえば
ずっと介護をしていた母親から
生前に渡されていた自筆遺言書に
「介護してくれた次女に全財産を遺す」
と書かれていたときに
他の兄弟から
遺言書無効の訴えがされる
というようなことです
近年、遺言の無効を主張して
裁判を起こすケースは増加しています
万が一
その遺言書は無効だ!
という裁判を起こされたら
どうしたらよいでしょうか?
無効の理由は
無効を主張する理由は
1 遺言は偽造されたものである
2 遺言者は作成時、常態でなく
既に遺言作成能力がなかった
いずれかであることが多いです
ですから、そのような裁判を起こされたら
遺言が間違いなく
1 遺言者によって作成された
2 遺言者の自由意思と判断によって
作成されたものである
以上を主張していくことになります
裁判所から呼び出しを受けたら出廷して
淡々と事実関係を述べるだけです
正義は必ず当然勝つはず、とお思いの方は
丸腰で戦うのもアリではありますが
正義が必ずしも勝つわけではありません。
それなりの準備が不足していたら
白いものも黒、という判決が
されてしまうことだってあります
裁判はひとえに
証拠があるかどうか、にかかっています
有力な証拠を積み上げた方が勝ちます
書面の証拠がありますか
書面での証拠がベストと
言われていることを考えると
遺言書本文こそが最大の証拠なのですが
この扱いは微妙です。
遺言書本体は
おそらくお手元にあるでしょう。
それは大事な証拠ですが、ですが
あるいは
それは、原告側の証拠であるのかも
しれません
あとは
作成日とされる日の遺言者の日記なども
あるとよいです
~遺言者の日記より~
「〇月〇日乙公証役場にて遺言書を作成。
半日もかかって非常に疲れたが、これで
B(次女)に、全ての財産を
遺してやれた。」
というようなものです
または
「○月〇日、今日は、ようやく
遺言書なるものを書き上げた。
これまでのことを考えると
娘だけに全部遺すというのも仕方ない。
娘がこの先一人で生きていけるだけの
財産を遺せたはずだ。」
こういうものが残っていれば
本人の意思と判断に基づいて
遺言が作成されたのだということが
推察されます
反対に
「○月〇日、朝からA病院で検査漬け。
二日も三日も病院にいたような気がする。
帰宅後、何をする気にもなれずテレビの前で
仮眠しているうちに夕食に呼ばれた。
意味のないつまらない一日」
というようなものだと
公証役場で遺言作成しているはずの時間に
実は病院にいたということになるので
遺言作成したのは、本人ではなかった
ということになります
また、デイサービスに通っているとしたら
作成日付とされている日の日誌に
「遺言者さんは、いつもどおりご機嫌で、
食欲もあり。空き時間はテレビと話したり
仮眠をとるなど。近頃いっそう物忘れが
ふえて職員と話がかみ合わないことが
増えた。」
というような日誌だと
ひょっとしたら既に
認知症だったのではないか?という疑いを
持たれる可能性が出てくる感じになります
証人がいますか
遺言の書かれた経緯などについて
そのあたりを知っている人がいたら
証人として出てもらえると良いかも
しれません
肉親(利害関係者)ではなく
他人だとさらによいです
公証役場にいっしょに行ったとか。
遺言書を自筆するときに
同席していたなどです。
疑われやすい遺言とは
自筆遺言書については
無効の訴え(裁判です)がされやすいです
公証人や法務局などが
関わっていないからです
通常、作成されることの多い
遺言のタイプは次の3つですが
・公正証書遺言
(公証人が作成するもの)
・法務局保管遺言
(本人自筆の遺言を法務局が保管する)
・自筆遺言
(自分で書いて自分で保管。または誰かに預ける)
自筆遺言書の場合は
第三者の存在なしで作成できてしまうため
後日、問題とされることが多いわけです
なにしろ
本人が書いてそのまま
本人が保管していることが多いので
または相続人、受遺者が預かっていることもあります
そのあたりで、物言いがつきやすいとも
言えます
つまり
誰かが偽造したんじゃないのか
ということですね
誰が訴えるのか
一体だれがそのような裁判を
起こしてくるのかといったら
当たり前ですが
(ほとんどの場合は)
遺言で
自分に有利な遺言を
遺してもらえなかった法定相続人です。
その人(たち)から
(ひとりだけ)得をしたかに見える人が
訴えられることになります
千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。