検索情報提供すれば安心なの?

検索情報提供すれば
安心していて良いのか?

2026年4月1日から
登記名義人表示変更登記
義務付けられました。

登記された住所氏名に変更が生じた場合は
・引っ越しで住所が変わったとか
・結婚して姓が変わった
・離縁して姓が戻ったなど のときです

変更日から2年以内に
その旨の変更登記をすべし
というものです。。

 

その義務に違反すると
5万円以下、の過料(罰金)です。

 

そこで、売買等の登記の際に同時に
検索用情報の申出をすることができるので
提供するようにお進めしてきましたが、

なかなか説明しきれないところがあるので
今一度、ご注意ください。

 

検索用情報の提供とは

 

不動産所有者から
検索用情報
(住所・氏名とフリガナ
生年月日・個人用のメールアドレス)

予め申し出ることによって
※メールアドレスの提供は任意です

登記官が
住基ネット情報を検索しこれに基づいて
職権で
所有者の住所氏名の変更登記を行うための
仕組みです。無料です

 

その効果と効用

 

 申出をしておけば、

過料が課されることは絶対ありません。

 

この点については、安心してよいです。

 

仮に
住所変更をして2年が経過しているのに
職権での変更登記がなされなくても
それはもうあなたの責任ではありません。

法務局の仕事です。

 

なので、現実に引っ越してから2年経過し
確認したら未だ変更登記がされていないぞ!
どうする?  というときでも
罰金はきません。

 

 申出をしておけば
職権で(何もしなくても無料で)
住所変更等の登記をしてもらえます。

その際には、必ず、事前に法務局から
住所変更登記をしますが問題ないですか。
というような照会がされます。

メールアドレスを提供した人には
メールで届きます。

そうでない方には
住所地あてに郵便で届きます。

万が一その時に
住所変更の登記をされると困る
というような特殊な事情
(DV被害にあっているなど)
が発生していたら、その回答時に
拒否することができます。

 

 

忘れがちな注意点

 

 申出をしておけば職権で変更登記がされる

これは正しいですが
必ずしも速やかに登記がされるわけでは
ありません。

おそらくかなり時間がかかります。

たとえば

  • 引っ越し完了→
  • 役所で登録住所を変更する→
  • 登記官に通知が行く→
  • 職権で変更登記してもよろしいかというお尋ねが行く→
  • お願いします、と回答→
  • 直ちに変更登記がされる

 

というような流れではないことにご注意ください。

 

このような流れだと誤解している人は
多いかも知れないですし、

むしろ
どうしてそのようなシステムではないのかと
そっちの方が不思議なくらいですが。

これが現実です。

 

住所を変更したという情報が
自動的に登記所に行くのではないようです。

 

どのようにして登記所が
住所変更したことを知るのかというと

登記官が
住基ネットに格納された住所変更の情報を
自ら手動で!調査すると言われています。

で、変更情報をゲットしたら
手元の登記情報と照らし合わせて

しかるべき手配を行う、というわけです。

 

引っ越し後、変更の登録をしてから
実際に登記官が手動で!調査にかかるまで

一体どのくらいの
時間がかかるのでしょう。

日本の人口は1億2千万人位です。

法律との整合上、おそらく
2年に1度は調査をする、ということの
ようですが

このAIの時代に、
自ら手動で、調査に行く、と。

 

2 自ら変更登記が必要なときもあり。

 

通常であれば
登記簿の住所が変更されようがされまいが
所有者本人にはほとんど影響はありません

ですが
不動産を売却する、とか
そこに担保をつける、等になったとしたら

登記の住所がどのようになっているかは
甚大な影響があります。

住所変更登記が終わっていなかったら
売買などの登記はできません。

 

売却も担保設定も
印鑑証明書が必要な登記なので、

その印鑑証明書の記載と登記簿の記載が
一致していない限り

売買も抵当権設定もできないのです。

よって、事前または同時
(住所等の変更登記を先に出して、連続でそのすぐ後
に売買等を申請する)

住所等の変更登記をする必要があります。

 

登記の時に情報申出をしてあるから住所は
とっくに変更されているはず!
と信じ切っていると
いざというときに泣きをみます。

 

 また
売買登記の委任を受けた司法書士が
住所変更が未了だから住所変更と売買を
連件で同時申請しよう
ということで
決済日を迎えたとします。

 

決済当日には、当然、
登記情報の確認をするのですが

万が一、その時に
登記官の住所変更の職権登記が入っていたら

登記記録は閲覧できません。

 

それでも
住所変更の職権登記中なのだと
わかるならばまだしも
教えてもらえないことも多いです。

司法書士は登記中の登記を
見ることができません。

 

万が一

差押えの登記などが入っていたりしたら
最悪です。

登記所には
登記中の登記内容を教えてくれる義務は
全くないので、どうしてもその日に決済したい
と主張されると
非常に厳しいものがあります。

 

場合によっては、この段階で

「登記記録の確認ができないので
本日の決済は流します。(後日に延期する)」
という流会宣言をする必要が出てきます。

 

単純な売買だけであれば、
延期するのもさほど心は痛みませんが

そこにそれなりの事情が介在したら
そう簡単には流せません。

 

決済が延期されたらみんなが困る、
というそれなりの事情とは

 

抵当権の当日抹消が絡んでいる。
売却代金で債務を返済する予定だとしたら返済が不可能になります

銀行から融資も決定している。
融資を受け抵当権の設定登記をしそのお金で売買代金を支払う予定だったとしたら売買も不可能です
日程が変わるので金消契約もやり直し金利も変更になる可能性があります

引っ越しの手配、リフォーム業者の手配
日程が変更になったらこのようなものも全てやり直しです。

結局、延期を宣言するには
当事者から一生恨まれる覚悟が必要です

 

だからといって
「ええいっ!ままよ!」とばかりに

登記記録を確認せずに決済して
もしも

住所変更以外の登記が入っていたら

 

差押えとか抵当権設定とかまたは売買とか
(当事者がこれをやったとしたら詐欺行為ですが)
それらの登記が先行していたとしたら

とんでもないほどに恐ろしいことになるので

そのリスクと
当事者から恨まれることのリスクを天秤にかけ

司法書士は苦渋の選択をすることになるのです。

 

実は司法書士の職責からいったら
選択に悩むまでもないのですが
そこはやはり人と人とのお付き合いというか
難しいのです。

司法書士法
(司法書士の使命)
第1条
司法書士は、その業務とする登記その他の
法律事務の専門家として

国民の権利を擁護し、もって

自由かつ公正な社会の形成に寄与することを
使命とする。

~つまり、取引の安全を考えたら
当日の登記記録の確認ができない状況で
決済をすべきではない、ということです。
いや、当たり前のことです。

 

ただし
この名義変更の職権登記が入るときは
事前に所有者に連絡がされるので
そのタイミングは予測することが可能です

なので、現実的には
決済とタイミングが悪いかも、という時には

登記所との間ですり合わせをすることに
なるのかもしれません。

 

 申出をしたとしても
職権で変更登記等がされるのは
その申出をした不動産だけです。

登記申請の際に申出をするのは簡単なので
ほとんどの方が情報提供なさいます。

他にも不動産をお持ちだったとしたら
そちらは別個に申出をする必要があります

いったん申出をすると他の所有不動産にも
その申出の効力が及ぶものと
勘違いしがちなので

複数の不動産を所有している人は
ご注意ください。

申出済みだから大丈夫!と油断していると

申出未了の土地について
罰金が課されたりするかもしれません。

 

おまとめ

 

不動産の売却等を考えないのであれば
検索情報の申出さえしておけば
とりあえずそれで
よろしいのではないでしょうか。

責任はこれで果たしたことになります。

 

2その代わり売却することになったら、
職権登記を待つことをしない方がよいです

可及的速やかに
変更登記を申請しましょう。

ご自身でなさるのであれば、
原則一筆1000円です。