残酷な遺言を書く。。。

残酷な遺言を書く。。
遺産はすべてを長男に相続させる。
いろいろな背景、事情はありますが
このような遺言は
相続人が長男だけなのであれば、さほど
問題もないでしょう。
いずれにしても放棄をしない限り
財産(プラスもマイナスもすべて)は
長男がすべてを相続することに
なるのですから。
ですが、家族関係によっては
上記遺言の受け取り方は全く様々です
一昔前の田舎であれば
長男がすべてを引き受けるのは当たり前と言うか、
特に問題になるようなことではありませんでした。
ですが、たとえば
全員で分けてもたっぷり余るような富裕な
家においては、この
独り占めさせる遺言は
ちょっと随分な話ではあります。
随分な話ではあるかもしれませんが、
これもまた親ごころ。
不出来な子供ほど可愛いといいます。
親の方も「財産は公平に遺すべき!」と
理解はしていたとしても。
でも
「長男に遺したい。配偶者も長女も次男も
別にこの遺産がなくても自立できている。
だが長男はこの遺産を必要としているのだ!」
いわばこうした残酷な遺言を書いたときの
心理状態というのはどういうものでしょうか
長男への愛情で
まわりの全てが
見えなくなっているのでしょうか。
ほかの相続人への
気配りができないほどなのでしょうか。
公証役場で遺言をする際は、必ず
遺留分についての説明があって、
遺言したとおりにはならない可能性が
あることを教えられます。
また、それにも関わらず独り占め遺言を
のこすのであれば、
最後の方にせめての付言事項を
いれるようにアドバイスされたりします。
付言事項というのは
遺言本文ではないし
法的効果を狙ったものではないですが
あとに残す人たちへの配慮のため
記すものです。
単純に感謝をのべるだけのこともあるし
この例のように
不公平な遺言をのこす理由を伝え
理解をもとめ
後日の争い(遺留分侵害額請求など)を
避ける狙いがあります。
狙いはあっても
そのとおりにことが運ぶかどうかは
神のみぞ知る、といったところですが。
付言事項の要旨の例
子供たちへの愛情は変わらないが
長男は不慮の事故等によって、
順風満帆とは言い難い。
長女も次男も今やそれぞれに
立派に道を歩いていて、
私が心配するようなことは何もない。
わたしの最後のわがままだと思って
この遺言を寛恕してほしい。
そして
配偶者へのねぎらいと感謝の言葉。
最後に
皆と家族でいられて幸せでした。
など。
自筆遺言の場合も、このような
残酷な遺言を書くのであれば
付言事項を書く方がよいです。
もっとも、貰えるのが1人。もらえないのが5人とか
であるならそれほどの衝撃はないかもですが。
どうでしょう?
いずれにしても残酷であることには
違いはないですね
父親の遺言書が、二人兄弟のところ
「弟にすべてを。兄は、ゼロ。」
であったとしたら
兄の気持ちは
いかばかりでしょうか。
兄は、おそらく
えっ?何故?俺が何かした?
と呆然とするかも知れません。
付言事項を書くのは面倒だということであれば
(特に自筆遺言においては、このことによってかなりの字数が増加することを思うと負担が大きいかもしれません)
事前に兄に直接
そのことを説明しておくとよいかも
しれないです。
説明の要旨
実は、
弟にすべてをのこすと遺言書を書いた。
親として、兄にも弟にもどちらにも
愛情は等分に注いできたが
弟の方は、満足に面倒を見ることができなかったので
せめてもの罪滅ぼしのつもりで
このようにした。
兄は、それに比べれば
おそらく満足できるほどでは
なかったかもしれないが
ここは、年上の兄の方が
親の気持ちを汲んで
この不公平な遺言を了承してほしい。
など。
説明するのが照れくさい
または
本人が同席を嫌がっている
そもそも行方不明である。
などの場合は
別途、手紙を書いておくのはどうでしょう。
自筆遺言の中に付言事項を入れ込むためには
全文を自筆で書く必要があるので
けっこう体力がいりますが
それができないときでも
別紙(遺言書ではない)を
ワープロで作成して
サインだけをしておくことで
気持ちを伝えることができます。
将来の紛争を予防する意味合いにおいても
有効ですし
なかなか口に出せない素直な気持ちも
伝えることができます。
これまでありがとう
お前たちのおかげで幸せな○十年を
過ごせました。
本当にありがとう。
このようなセリフは気恥ずかしくて
素直に口に出せないものです。
ですが本当に伝えなければならない
タイミングになったときは、もう、
身体がいうことを利きません。
このように言葉に出せない感謝の気持ちも
手紙に残しておくのが良いと思います。
どうか、残酷な遺言書を
そのまま遺すことがありませんように。
千葉県茂原市の司法書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験30年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。