司法書士今昔2~決済

司法書士今昔その2
決 済
残金決済
それは
司法書士~不動産業界に関して言えば
不動産の売買契約後
残金の授受と引き換えに
登記の書類の授受をすることです。
このとき同時に
立て替えの費用を精算したり
家の鍵を渡したり
家電類の説明書や建物の図面などを
引き渡すという、
残金決済とは、言わば
不動産売買のラストを飾るイベントです。
通常は、契約後
数週間から数か月の準備期間が入るので
その間、売地の整備をしたり測量をしたり
必要であれば、地目変更をしたり
とっくに壊した建物の登記がまだあれば
滅失登記をするなど
引渡しに向けてのもろもろを行って
全部きれいなまっさらな状態にしてから
決済に臨むわけです。
司法書士や不動産業者は
斎戒沐浴をして、場に臨みます。
その日は、
当事者が滞りなく全員顔をそろえ
書類が全て揃い
お金のやりとりもスムースに運ぶと
おめでとうございます!!!で
決済終了となります。
一件落着です。
これも今昔で様変わりしていて、実に
実に便利になったものだと
感慨深いものがあります。
30年前は、
こうした多額の資金の移動を伴う決済は
銀行で行われることが普通でした。
しかも、振込やら、現金の払い出しやらの
資金の移動に時間がかったので
抵当権抹消~所有権移転~抵当権設定
という流れだと、
2時間くらいはかかるのが当たり前。
次の予定が控えているときなどは、
時計とにらめっこで、
はらはらしたものです。
今でも、銀行の融資実行が絡む場合は
それなりの時間を要しますが
融資がなく売買だけのときは
かなりの進化を遂げました。
まず
銀行に行かなくても資金移動が可能
オンラインでダイレクトに
買主口座から売主口座へ
振り込みができるので
あっという間です。
確認するまで1分もかかりません。
たとえば、このような感じです。
当事務所に来ていただいて、または
業者さんの事務所で
登記の書類と意思の確認が終われば
買主さんがその場で
売主様の口座へ振り込み
ほとんど瞬時に確認して
一件落着というものです。
銀行に行かなくてよいだけでも
素晴らしい進化ではないでしょうか。
別に銀行がきらいなわけではないですが
部屋・テーブルを予約する手間
駐車場を見つけて駐車する手間
引き出したり、振り込んだりのための
書類を書く手間。
書式が銀行ごとに違うので
それらを書くのもけっこうな
時間と労力がかかります。
そして、現金が出てくるまでの時間
または振り込みが実行されるまでの
待ち時間。。これは、
その日の込み具合によっては
想像以上に長時間かかることもあります。
たまに、売主さんが
事前の予告なしにいきなり
「現金で持って帰りたい」と主張したときは
万が一、その銀行支店に
それだけの現金がないときなどは
さらにさらに時間がかかる
というわけです。
近隣の支店(?)から取り寄せるらしい
それらを考えると現在の手軽さは
夢のようです。
ただ、現在といえども
そうした決済方法をもたない人の場合は
残念ながら、昔ながらの方法を
とらざるを得ません。
または
買主側の振込はその場で出来ても
売主側が確認をするために
ATMまで出向く必要があるなどの
事情があると、
これほど速やかにはいきません。
それでも
銀行に集合して一から始めることを思えば
かなりの省エネ省時間となります。
さらには、銀行も以前のように
皆様の銀行とばかりに
甘い顔をみせてくれるわけでは
なくなりました。
そもそも近頃では
銀行のスペースも
なかなか貸してもらえません。
支店の数がどんどん減っているので
決済に貸せるほど余分な場所がない
という事情はあるでしょう。
たまに貸してもらえることもありますが
そうでないときは
待合席で一列に並んでの決済となります。
司法書士は、各人の間を蝶のように飛び回り
(蜂のようには刺しませんが)
必要な書類と情報を収集するのです。
先日は、ある都市銀行で
(その銀行での融資がある案件でしたが)
なんと、部屋を貸してもらえず
待合席の使用も
「集団でいると他のお客様のご迷惑になるから」
と拒まれ、なんと
隣のカフェで書類のやりとりを行い
資金の移動時のみ
最低限の人員が銀行に出向く
というとんでもない事態となりました。
言うまでもないことですが
このように資金の移動まで
こぎつけるためには、まずは
登記に必要な書類が
完全に整っていることが大前提です。
ですが、
どんなに事前にご案内しても
くどいほど念押しをしても
忘れるものは忘れます。
人間ですから。
決済時に必要な
買主ならば住民票
売主ならば印鑑証明書と権利証そして
実印
最低でもそれらは必要です
(状況と事情によっては、さらなる書類が
必要なこともあります)
かつては、それら書類を忘れたら
(役所が近所であれば取りに行ってもらえば
済みますが)
役所まで電車で2時間などの距離であれば
その日の決済は延期でした。
選択の余地はありません。
印鑑証明書がなければ、
委任状に実印が押されているかどうかも
わかりようがありません。
ご本人がどんなに
これしか作ってないと主張しても
印鑑違いは、けっこう、あります。
そうなると、最悪の場合は
印鑑登録をし直さないと
先へ進めません
ところが今や
マイナンバーカードがあれば
ほとんどの自治体の住民票印鑑証明書を
コンビニエンスストアで取得することが
可能です。
さらに権利証(登記識別情報通知)を
家に忘れてきたとしても、
本人確認情報を作成することで
対応が可能です。
つまりは
多少の忘れ物をしても決済は可能
という時代になりました。
ただし
決済金を忘れたり
実印を忘れたり、ということだと
どうにもなりませんが。
なお
権利証を忘れてきたときでも決済が可能
となる本人確認情報とは次のようなものです
これを司法書士が作成します。
その作成にあたっては
必要な条件がいくつかあります
・司法書士がご本人と直接面談する
(テレビ電話は不可)
・公的身分証明書
(運転免許証とかパスポート、マイナンバーカードなど)を
拝見します
・費用が別途発生します
・ただし、その内容によっては
登記官がこれを認めないことがある
とされています。
この経験は未だないです。
以上によって
権利証に代わる書類をお作り出来ます。
「権利証に代わる書類」と、
わかりやすいように表現していますが
厳密には、権利証ではありません。
今回この売買登記において
権利証がなくても移転登記ができるように
登記担当司法書士が
所有者を確認したという特別の書類
(本人確認情報)を作成した、
ということに過ぎません。
たとえば
何かの事情が生じて今回のこの売買が
流れたとしたら(中止になったとしたら)
その時作成した本人確認情報が
権利証とおなじように使えるわけでは
ありません。(権利証ではないので)
ですから、ご注意ください。
次のような場合は
使えません
売買登記をほかの司法書士に依頼する。
→使えません
登記申請代理をする司法書士の作成した
本人確認情報が必要です
この不動産に抵当権をつける
→使えません
売買のために作成したものなので
登記の目的が異なります
千葉県茂原市の司法書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験30年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。