公正証書遺言の証人を捜す

公正証書遺言の証人になってくれる人を
捜したことがありますか

 

公正証書遺言をしようと思い
最寄りの公証役場に予約の電話をすると

持参すべき書類を告げられた後で
あと、証人が2人必要です、と言われます

 

この段階で、挫折した人を知っています

つまり
証人を2人用意するなんて無理。。。。。
というものです

 

公正証書遺言をする際には
確かに証人が必要ですが

この証人の部分がネックとなって
せっかく思い立ったのに公証人遺言作成を
断念する、という話が
実際にあるのです

 

2人(以上)必要です
しかも、作成しようとする遺言について
利害関係のない成人という条件が
あります。

その条件を満たす証人がいないと
公正証書遺言の作成はできません。

なかなか、そんなに都合よく
証人になってくれるような人は
ご自分の周りにいなかったりするのでは
ないでしょうか

 

・未成年ではなく

・相続人等ではなく
(相続権がなければよいだけではなく
その配偶者等も証人にはなれません)

・遺言のハナシを聞かせても問題がなく
(遺言書作成現場に立ち会うわけなので
噂をまき散らすタイプの人は困りますね)

・遺言内容について通常の理解力があって
(将来遺言が問題とされたときに
証言を求められる可能性もあります)

かつ

・公正証書作成日に立ち会ってくれる人
(原則、平日の昼間に時間を捻出するのは
負担が大きかったりします)

ということになります

私も考えてみると、そのような人は
思い当たりません

でも法律上の条件は

未成年ではなく、利害関係のない人

それだけです

 


(証人及び立会人の欠格事由)
民法第974条

次に掲げる者は、遺言の証人または
立会人となることができない

1 未成年者

2 推定相続人および受遺者

並びにこれらの配偶者および直系血族

3 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

 


 

証人は保証人ではないので

通常、保証人(遺言の場合は証人ですが)
と聞いて私たちが思い浮かべるような

借金の保証人とか
家の賃貸の保証人とかのように

具体的な保証債務があるわけでは
ありません

そもそも求められているのは

保証人ではなくて、証人です

たとえば、遺言実行時に財産が
遺言時よりも減少しているので
その差額分を証人が埋める、というような
そんなハナシではないのです。
ご安心ください

 

どうして証人が必要なのか
実のところよくわからないですが
(法律で定められているから必要なのですが)
通常の公正証書遺言書のみならず
他の遺言書の局面においても
法律上、証人や立会人が求められることは
多いです

多分
公証人という第三者が関与しているがゆえに

あとになってから

遺言は公証人が勝手に作ったとか
遺言者が申述したとおりに作られてない
などという

謂れのない難を避けるためも
あるのでしょうか。よくわからないですが

一番近い感覚は
婚姻届けなどを提出する際の
証人ではないでしょうか
(こちらも法律でそのように定められているから
必要なのですが)

ま、第三者であるならば誰でもよい
という感じではあります
(これは言い過ぎ。婚姻の意思についての
証人だという話を聞いたことがあります)

 

一方、
自筆遺言(自宅等保管も法務局保管も)
の場合は証人の存在は問題になりません

作成するにあたって

証人が署名する、というような定めはなく
一人でサラサラとしたためれば
それで完了です

それを思えば、公証遺言に
それほど
大それた証人資格が要求されるはずがない
ことは理解できます

 

というわけなので

考えても適当な証人になってくれる人が
いない!
と絶望的になった方は
公証役場に正直に事情を
打ち明けてみましょう

 

なんと、役場の方で
証人(たち)を準備してくれます
(一人は自力で用意できるなら
不足の一人だけでもOK)

 

その証人(たち)は
自分(遺言作成者)から見て
まったくの他人ですが

知り合いであることや
遺言内容を保証することが
証人資格として
要求されているわけではないので
全然大丈夫です

ただ、日当(報酬)がかかります

行政書士や弁護士を
証人に立てるのであればそれなりの費用が
かかるかと思いますが

公証役場で用意してくれる証人の日当は
それほど多額なものではないと聞いています

 

多くの場合は
公証役場に遺言作成の
予約を入れた段階で、証人について
自分で用意できないときは役場で
用意するので日当は2人で○○円かかります
と教えてくれますが

そうでない(その情報を伝えてくれない)
役場もあります

 

私もむかし昔、そのような役場に
あたったことがあって

お客様の代わりに予約の電話をした際に

遺言者が証人は用意できないと言っています
と伝えたところ
証人2人いないと手続きはできません。

と冷酷に突き放され
一瞬、絶望しかけたことがあります

それでも気を取り直して
(役場で用意してくれると聞いたことがあったので)

もしかしてそちらでどなたか
お願いできるのでは?
 と
要求してみたところ

そこでようやく
役場で用意してもらえることになった
ということがありました

 

知識は力なり

 

この時
もしもそのような知識がなかったら
そのまま諦めて引き下がるほかなかった
と思うのですが
もっと積極的に情報を開示してほしかった
と思うものです

たまたま、単にその業務を
受託したくなかっただけかもしれないし
体調が悪かっただけかもしれないですが。。。

 

思い立ったが吉日です

公証役場で遺言書を作ろう!と思ったら
すぐにも予約の電話を入れましょう