法務局で遺言をする

法務局で遺言書をつくる

 

法務局で
自分で書いた遺言書を
保管してもらうことができます

 

自分で書いて自分で保管する遺言書は
後に(相続が開始したあと)家庭裁判所で
検認手続きが必要とされますが

法務局保管の遺言書(遺言情報証明書)は
その検認が不要です

 


この法律は民法の条文にあるのではなく
「法務局における遺言書の保管等に
関する法律」
という名で
新しく策定されたものです

ですが、

全ての法務局が
この手続きをしているわけではありません

遺言書保管所とされた法務局のみです
ご注意ください


さあ、今日は良い天気だ
近所の法務局へ行って遺言書でもつくるぞ

とお思いになった方

ちょっとお待ちください

思い立ったらすぐ実行というのは良いですが
そこですぐに出かけてしまうわけには
いきません

無駄足を踏むことになります

 

法務局(遺言書保管所)は
自筆の遺言書を保管してくれるだけです

遺言書の書き方を
指南してくれるわけではありません

たとえば、税金の申告に際して
青色申告会に行くと
申告手続きを手伝ってもらえますが
そのようなイメージでいると
激しく落胆します

 

法務局(遺言書保管所)では

申請書や書類の不備については
指摘してもらえるし

自筆遺言書としての要件
(全文自書 記載年月日 押印等)を
満たしているかについてのチェックは
してくれます

しかし、それ以上のことはしません

あくまでも
本人が書いた自筆遺言書を
保管するだけです

 

 

保管して、しかるべき時が来たら
(遺言者が死亡してしまったら)

相続人などは
その遺言書情報証明書(いわゆる遺言書
一通1400円)の交付をうけることが
できます

遺言を保管申請した法務局のみならず
全国どこの法務局(遺言書保管所)でも
交付手続きができます

 

 

法務局に出かける前に

 

いきなり出かけてもどうにもならないので
やはり準備が必要です

  • 必要な様式や書類があるので、まずは
    それを確認する
  • 戸籍を取寄せたり申請書などの印刷を
    する
  • 遺言の内容を熟考する
    下書きをしたり税理士に相談するなど
  • 様式に則って自筆の遺言書を作成する
  • 法務局の管轄を確認する
    (本籍地・住所地・不動産所在地のいずれか)
  • 予約をする(一か月前から可能)
    遺言書の保管の申出は予約制です
    法務省ホームページから予約ができます

 

 

保管してもらえる遺言書とは

 

1 通常の自筆遺言書の要件を
満たしていること

全文ワープロで書いたりとかは
ダメです

2 それに加えて、
法務局保管遺言書の要件を
満たしていること

自筆遺言書(自宅等で保管するもの)は
どんな紙にどんな風に書いても
それが問題になることはないですが

法務局保管のものは、紙の大きさ等に
それなりの決まりがあります

 

3 遺言者本人が直接、窓口に出向いて
申請すること

本人であることの証明書
(運転免許証や個人番号カードなど)を持参します

委任状があっても、代わりに誰かを
行かせることはできません

 

4 費用がかかります

3900円

一回支払えばそれで大丈夫。
毎年更新ではないです

 

5 保管手続きには、予約が必要です

 

6 どこの法務局でもよいわけではなく
管轄が決められています

 

7 申請時には
戸籍謄本などの必要書類のほかに
申請書、届出書、納付書等が必要です

事前に準備ができないときは
法務局の窓口で手書きで記入することも
可能です

 

8 死亡時の連絡先を3名まで
指定しておくことができます

 

以上の詳細については
法務局のホームページで確認することを
お勧めします

 

ホームページには申請書のひな型等が
あるので
印刷して事前に用意しておくと
当日スムーズにことが運びます

申請書・届出書・納付書は
遺言書本体と異なり
自筆でなければならないということはなく

パソコンで作成することもできます

 

いずれにしてもかなり厳格に
用紙のサイズや、裏に書いてははダメとか
綴じてはダメとか、余白を空けるなどが
細かく決められているので

必ずホームページでご確認ください

 

書式が多少間違っていたからといって
全文書き直すのは(しかも手書きで)
少々きついかなと思います

この場合でも
法務局で保管ができなくても
通常の自筆証書遺言書としての要件を
備えていれば
自筆遺言書として有効です
ただし相続開始後に
裁判所での検認手続きが必要ですが

 

 

遺産相続の登記・生前贈与の登記は
どうぞお気軽にご相談ください