司法書士のアフターサービス

司法書士のアフターサービスとは

建物の販売とかリフォーム、ピアノの販売とかアフターサービスはつきものです。

当職のサイトにも登記完了後のフォローという欄があります

(欄だけですが。)

欄だけではありますが、この欄は
最後まで責任をもってことにあたります
ご安心ください!
という決意表明なのです

 

当然、クレーム対応も含みます

クレーム対応は、すでに仕事が完了して対価を頂いているにも関わらず、納品に問題があったということです。まだ仕事自体終わってはおらず中途であったということ。最後まで完了させるべき義務が残っているわけです。これはサービスではなく、未完了の仕事を完了させる当然の責務に過ぎません。

 

フォローはサービスなので、やはり対価が発生しないことにおいてはクレーム処理と同様です。費用が発生しないので表向き、一見すると両者の境界は曖昧な部分があります。また、ことの性質上、やることは一緒でも、当方はサービスのつもりでもお客様から見るとクレーム処理ということも、またはその逆のこともあります

できれば、お客様からみて、クレーム対応ではなく、サービスをさせていただきたいものです

 

司法書士のフォローあるいはクレーム処理とは具体的にはどのようなことでしょうか。

具体的にはこんなこと

 

納品した仕事(完了した登記)の問題点疑問点にこたえる

 

・庭の石や大木は撤去してくれる話だったのにいつやってもらえるのか?

・まだお金をもらってないがどうしたらよいのか?

・リフォームがいつになっても終わらないが?

・仮登記で買ったが(売ったが)これはいつ本登記されるのか

・税金はどうなっているのか?いつ払うのか

・贈与税がくるとは聞いてなかったが

 

このように、司法書士の仕事というよりは
どちらかというと契約上の疑問や不満のお尋ねです。

更に言うと、

ほとんど間に入った仲介業者さんに持っていってほしい話がほとんどです。
売買契約書の中身については、
当方が作成していない場合は、
書いてあることを読み解くことはできても
どんなつもりで作成したかどうかは
です。

 

また、税金のご相談ですが。

登記にあたって、贈与税等の税金に関することは、当方は登録免許税(登記の際に印紙で納める)以外は、全く全然わかりません。
威張って言うようなことではないかもですが当方は税金の専門家ではないので。

特に贈与税に関しては、税務署か税理士に予め相談なさることをお進めしています

 

 

贈与税など大したことはないだろうと高をくくって税務相談をしない方もたまにいます。(100万円の贈与税を大したことはないとお思いの方もいれば、とんでもない、そんなにかかるなら絶対贈与なんかしない!と驚愕なさる方もいます。多少かかっても良い、とおっしゃるときの多少、の金額のイメージの個人差はかなりあります!!)

後日、税務署から予想外の多額の贈与税が来た!どうしよう!ということで、登記をもとに戻すようなご希望もありますが、かつてのように簡単に錯誤(間違えました!という登記)で登記をもとに戻せた時代と異なり、けっこう、テクニックが必要です。登記に際しては、登記原因証明書の作成が欠かせませんが、ここに書く「どうして錯誤に至ったか」の部分が難しいので。

 

納品した仕事と全く関係なしに、登記または法律上の疑問に応える

いわゆる法律相談的なこと。これは、

  • 遺言の作成とか、
  • 贈与の相談とか、
  • 相隣関係の悩み、
  • 破産、多重債務等々いろいろです。

 

 

納品した仕事に関連して新たな登記等が発生。

 

・抵当権設定をした↓
返済終わったので抵当権抹消登記をしたい

 

・売買登記をした↓
名義人が死亡したので相続を頼みたい

 

・相続登記をした↓
名義人が死亡したので、相続を頼みたい

 

・相続登記をした↓
名義人が死亡したが相続全員で放棄をしたい

 

・会社(法人)の設立・変更登記をした↓
事前のご希望がある場合は、こちらから
役員任期が到来するタイミングでその旨の
注意喚起をします
この登記を忘れると登記懈怠、または選任懈怠ということで罰金がくるのです

 

・相続税の申告を頼める税理士を紹介してほしい

・買った土地の件で裁判をしたい。
強い弁護士を!

 

・建物の変更登記・分筆の登記を頼みたいのでだれか良い土地家屋調査士はいないか?

 

頼んだ(つもりの)登記が完了してないようだ(クレームですね)

 

代表的なのが、

頼んだはずの建物の相続登記がされてない

 

相続登記を依頼したが、ふと見ると建物の名義が変えられていない、というもの

このクレーム(本当は、建物は登記しないことになっていたのを忘れてしまっただけ)はけっこうあります。

依頼した登記が完了してないとしたら、言うまでもなく司法書士の責任です。

しかし、特に建物の相続絡みの案件については、おそらく、
他の相続の登記をさせていただいた際に、
建物については、今回は登記はしないでおく」とご了解いただいていた可能性が大です。

これは、建物については、登記簿に記載された状況(床面積・附属建物の存否等)と現況とがかなり乖離していることが多々あり、そのままではちょっと登記はどうかなということがあるからです。

 

・登記と現況の食い違い

そのときは、相続登記をする前に、まずは
司法書士ではなく
土地家屋調査士に依頼することが必要になります

建物の増築や改築、一部取り壊し、附属建物の滅失等等による建物表題登記の変更等により、
現在の状態を登記簿に反映させる作業をするわけです。

現況と登記簿の齟齬がそれほどではない場合は、そのまま相続登記ができることもあります。
ですが特に築年数の古い建物については
そうではないことも多いです。そうすると
じゃあ今回は建物はやらなくていいです。
ということになりがちです。面倒ですから。

・建物の登記がない(未登記)

または、評価証明書にはしっかり記載されているのに(課税はされている)未登記(登記がされていない)だったりとか。

本当に未登記だと、
土地家屋調査士に依頼して、まず、
こんな建物がここに建っているという
建物の表題登記をする必要があります

 

いずれにしてもこうした場合は、いきなり相続登記はできないです。

 

土地家屋調査士の仕事分の
費用と時間が余分にかかることを説明すると、
「じゃあやらなくていいです。」
ということになったというわけですね。
面倒ですから。

 

これらは建物がかなり古いものであることがほとんどです。

新しい建物であれば、この先売却したり
住宅ローンの担保にしたり、登記が要求
される局面がいろいろと考えられますが
築50年とか、もっと大昔に建ったらしい
というような建物はわざわざそれほどの費用等をかけるまでもないかな、と思うからですね。面倒ですし。

もちろん、全部ご説明をして、それでも、
先祖が建てた家だから供養ではないが、きちんとしたい。とおっしゃる方もいます。がそれは、少数です。

あるいは、「古い家だが銀行に担保に欲しいと言われてる」から登記は絶対する必要がある、ということもあります。

 

ところが。

 

このように、どうして建物の相続登記がされてないのか、とびっくりしてお尋ねになります
その時は建物の登記はしないことで納得したことをすっかりお忘れの人たち。

 

まあ、こちらは、資料などを保存記録してあるのでご説明できますが、そうでもなければ誰しも数年前のことは覚えていられないです

 

やはり気が変わって
建物の登記をイチからやりたい、
ということであれば、
もちろん書類はお作りしますし
土地家屋調査士もご紹介しています。

 

あとは、

私道の共有持分の登記がされてない

 

私道の共有持分が相続から漏れていたがどうしてくれる?

というもの。

申し訳ないですが、司法書士は、
被相続人の財産をきちんと調査した上で
登記をするわけではないのです。
できる限りの調査はしていますが、
万全ではありません。

司法書士がするのはあくまでも原則として
依頼された不動産についての相続登記です

ただ、共有土地については、注意喚起はしていますが、相続人がそれを把握していないと評価証明書で調査する以外ありません。

また、

被相続人の所有物件全てについての評価証明書の申請をすれば、その市町村においての所有物件は調査することが可能です
物件を指定しないで、
被相続人の所有にかかるもの全て
の評価証明
が欲しい、と依頼する

しかし、これは、市町村ごとに請求する必要があるため、やみくもに例えば、県内全域とか、やってもいいですが、費用対効果が悪すぎるのではと思います

 

北海道の物件があった

 

あとは、

固定資産税の納税通知書が年に一度全国の市町村から登記名義人に対して郵送されますがこうして納税の通知がくればそこに土地があることは名義人死亡後でもわかります。
が、名義人が忘れていたり、隠していたりした土地(たとえば、北海道の原野とか、南の島の広~い雑種地とか)で課税されていないような評価の低い土地は納税の必要がないため納税通知書は郵送されません。

というようなわけで、被相続人が所有する全ての不動産を調べ上げることは司法書士には不可能なことです。できる限りのことはしていますが。

 

相続書類がそろっていれば

 

これらのように、
知らなかった不動産があとから発見されたときでも、相続書類が
全ての不動産は相続人Aが取得する
という風につくられていれば、
なんのこともなく後日の登記は可能です。

具体的には、

・相続人A以外の特別受益証明書
または
・相続放棄申述受理証明書がそろっている場合など。OKです

・遺産分割協議書に
「全ては相続人Aが相続する」と
書かれているものなど。このままでいけます

 

問題は、

分割協議書に不記載だったとき

遺産分割協議書に、個別の不動産の所在地番地目地積の記載がされているのに、その問題の私道共有持分、北海道の物件等が書かれていないとき。

そうであれば、書類(遺産分割協議書)はもらい直しです。

当時の法定相続人が死亡していれば、その戸籍とさらにその相続人からも書類(実印を押して印鑑証明書も添付)をもらう必要が生じます。

 

だから、当方で分割協議書をお作りする時はかなりしつこくおすすめしています
「これ以外の財産が発見されたらAが取得する」旨の文言を入れたほうが良いのでは?と

おすすめしても、「不要です」と固辞する方は何故なのでしょう。

「絶対他には財産無いです。」というのが理由ですが。

もしかして将来発見されたときのためにと説明してるのですがまだ情熱が足らないのかもしれません。こちらには想像もできないような深い事情があるのかもしれません

 

 

番外
頼んだ登記がされてない
きちんとやって!クレーム対応

 

これは、番外というか、論外というか、もしも本当だったら、アフターサービスどころではないです。平身低頭ごめんなさいのケースです。

 

物件に不足がある

 

・5筆の売買をたのんだはずなのに、4筆しかされてない、とかですね。

登記の前に、何度も何度も物件の確認をしているので、こうしたことは原則としてありえないことなのですが。

もしも万が一、やらかしてしまったら、
平身低頭謝って、何とかします。
絶対に何とかします。もちろん
費用は全額こちらもちです。

こうした事態は普通は考えられないです

司法書士は、

  1. 物の確認
  2. 人の確認
  3. 意思の確認

の3つの確認を金科玉条のごとく非常に
大事にしているからです

ですが、

・本人が考えているのと違う土地を登記されてしまったというのは、あり得ます。

分譲地、東側の一角を買うつもりだったのに北側の一角を買ってしまった場合。など。

契約書を始めとして全ての書類が北側土地で作成されていて決済当日も司法書士は、北側土地でよろしいですね、と再三確認します。本人達(売主も買主も)もそれでOKということで登記をするのですが。

後日、

買主は、自分の考えていた場所と登記された場所が異なることを発見して真っ青になる!ということは可能性としてはあり得ます。

あり得ますが、普通、無いです。

たまに、現場も公図も確認しないで
言われるがままに買う人がいますが、(数十年前の古き良きバブルと言われた頃の話です)
あまりないです。

 

モノ(物件)の確認とは?

 

仲介業者が契約書を作成し契約締結の後に
司法書士に決済立会の連絡が来ます。
(いきなり契約、即、決済ということもあります)

当方で受託する決済はほとんどが
このパターンです。

はじめに契約書ありき。で、コトは
進んでいきます。

物件の確認は、地番だけでは通常は
わからない人の方が多いので、公図で
場所を示したりして確認します。
物件が多数の場合は、
契約書通りでいいですね、で
終わることもあります。が念の為
公図地図上に蛍光ペンでマークして
確認をしてもらうことがほとんどです

業者さんといえども人間なので、
過誤がないとは言いませんが、
物件の不記載は許されません。

買主売主も契約内容の詳細には無関心でも
物件については、特に買主側は神経質に
記載内容をチェックしていることが多いです
とは言っても気になる箇所は人それぞれです

 

それでもわりとあるのが、

 

契約書から私道の記載が洩れていることです

権利証には載っているのに、
(登記識別情報通知はあるのに)
契約書に書かれていない場合、

本当にいらないのか、たまたま誰かが
忘れていて契約対象から外れてしまったのか

私道の共有持分の記載漏れはけっこうあるのでこちらも公図をチェックしたり粗相のないように注意しますが、それだけではカバーしきれないこともあります。

本当に必要な私道共有持分がないと、
建物の建築ができなかったり
けっこうな問題になります

 

買ったはずの建物が登記されていない

 

登記完了して数年、買主から連絡があり
建物がひとつ登記からもれていた!
どうにかしてほしい!
」ということも
あります   いえ、やたらにないです・・・

契約書から建物の記載が一棟分(1筆)抜けていたのです

ここからここまで全部、と言って大人買いをされたらしく、
契約書は業者を信用して全部任せたとのことで、

当方も申し訳ないですが、
そのような事情(ココ全部という契約)
わからなかったため、
契約書記載の物件土地・建物合計で数十筆
についてしか登記はできなかったものです。

契約書不記載の物件については、調査等は
困難なため、ご希望に沿うことができませんでした。

 

買主さんから「現地を見たのか?」と
質されましたが、通常、司法書士が
決済物件を現況確認することはありません

 

司法書士はこれだけの決済を現地も見ないでやるのか、と罵倒されましたが、
1億だろうが10億だろうが、通常、
現場調査はしません。100億であれば
話のタネに見学はするかもしれませんが。
おまけに当方は図面の類を確認するのが苦手なので、
現地調査をしたところでまるでわからなかったと思います

 

ま、逆に言えば、

これだけの決済を現地も見ないで、現況と
契約書を照らし合わせないで契約したのは
一体どなたなのか、と
言いたいところでしたが。。。。

 

固有名詞が誤って登記された

 

・登記された名義人の名前または住所が間違っている

 

不動産を買って、新しい名義人になった方の名前(または住所)を間違えて登記する、これはあってはならないことです。

やらかしたときは、平身低頭あやまるしかありません。

たまに、当方のミスではなく、登記所のミスのこともありますが。

いずれにしても、登記の過誤を看過してその状態のままでお客様に成果物(権利証・登記簿謄本など)を引き渡すなどというのは、全くもって、あってはならないことです。ごめんなさい。

道夫と通夫、
国男と匡男、
美恵子と恵美子、
村松と松村、
明子と朋子、
幸夫と幸央、

よく似ていますよね。似ていませんか。

己、已、巳、この3つは違う字です。
似てませんか。よく似ていますよね。

 

念のための豆知識ですが、

 

固有名詞に誤りがあったためにそれを
正すべく司法書士に依頼するなら、
誤りを登記した同じ司法書士に依頼したほうがいいです。

責任の所在がはっきりしているので、
(司法書士が悪い)
おそらく、無料でやります。
(私はそうしています)
ご自身でやっても事情によっては、

数千円かかることもあるし、
過誤登記をした司法書士は信用できないので他の司法書士でやるという選択はもちろんアリですが、そうすると数万円かかります

 

いろいろありますが、まったくもって
本当にいろいろあるのですが、
それでもここまで長きに渡って
続けてこられて感無量です。

何を書いているのか、
アフターサービスの話でしたね

登記のご相談は
どうぞお気軽に