合筆ごうひつ・分筆ぶんぴつ

合筆・分筆あれこれ

 

合筆(ごうひつ・がっぴつ)とは

 

合筆とは、何筆かに分かれている土地をまとめて1筆にする登記のことです。

司法書士には、できません。
土地家屋調査士の専業です

たとえば、

184番1、184番2,184番3、
184番4、と4個に分かれている土地をまとめて184番、とするようなことです。

メリットは

 

これをすると、それまでは何かの時に土地謄本が必要となったときに4通必要だったものが1通で済みます。
また、
分譲地などの事業をするにあたって
地形の悪い数十筆を一つにまとめて合筆し
そこから分譲地らしい地形に分筆して
売りやすく、買いやすく、するためにされることが多いです。

さらに、
合筆することによって新しい権利証というか
登記識別情報ができます

これまでの184番1から184番4までの
全ての権利証を合わせたものも権利証として
有効ですが、合筆によって、1通でOKの
識別情報が出来上がります

 

もしも、実は184番3、の権利証は紛失していて心配だったというようなときでも、合筆すれば、その部分も含めて新しい権利証が出来上がるので大丈夫。

ただし、合筆登記の際に権利証は必要です。もしかして、紛失しているという場合でも代替手段があるので、ご心配なく。
一般的には権利証紛失したときは、もう、再発行の手立てはないので諦めるしか無いのですが、合筆することができるなら、可能です

 

どの土地でも可能なのか

 

ただ、どの土地でも合筆できるわけではなく

物理的に隣接していること
小字が同一であること(番地をのぞいた土地の住所が異なっていたらできない)
地目が同一であること(一部農地があったり山林や雑種地が混在していたりしていたらできない)
抵当権や、賃借権、仮登記などがついていないこと。または、全く同一のそれらの登記であること等、の条件があります

費用は?

また、測量をして、図面を作って、隣地との境界を確認などして、という作業を行うため費用もけっこうかかることもあるようです

 

分筆とは

 

分筆(ぶんぴつ)とは、合筆の反対で、
一つの土地を複数個に分ける登記のことです

司法書士には、できません
土地家屋調査士の専業です

たとえば分譲地をつくるべく大きく一つにまとめた土地を細かく200平方メートル位ずつに分ける登記のことです。
元の地番が184番だとすると、ここから、枝番(えだばん)といって、184番1,184番2,というように元の地番に数字が増えていきます。

または、

隣の人に土地を20センチ幅で譲ってほしいと言われてそこを分筆して譲渡する、とかの場合が考えられます

分筆では権利証はできない

 

分筆登記をすると表題部登記済証完了証などのような表紙をつけて、土地家屋調査士が成果物をくれます。
が。
これは権利証ではありません。
分筆登記では、権利証(登記識別情報)はできません。

調査士によっては、素晴らしい表紙や印刷物のファイルをくれるところがあって、これが権利証ではないとは思えないほど重厚なものだったりします。
ですがそれはどんなに立派に美しく見えても
単なる、登記完了証(手続きが終了したときに自動的に発行になるもの)に過ぎず、権利証・登記識別情報とは関係ありません。

 

同じく土地家屋調査士がする手続きの合筆登記については権利証登記識別情報ができることを思えば、おや?かもしれませんが。

少しだけ注意をしてその成果物を見ればわかります。

 

合筆のときは、登記識別情報が発行されます。それは、銀色のシールを貼られた、法務局発行のうす青いA4の紙。その表紙のあとに必ず合綴されています

分筆のときは、同じような表紙が付けられていたとしても、そこには登記識別情報通知の紙は入っていません。(大事なのは、それ)銀色のシールを貼られた、法務局発行のうす青いA4の紙。それが大事なものです。その有無をしっかり確かめて頂きたいものです

 

ちなみに、余談ですが、

不動産の売買の決済の時
かなり多くの方が権利証と信じて、
この分筆登記の完了証(または地目変更だったり住所変更だったり抵当権抹消だったり)をお持ちになります。

気持ちはわかりますが。それでは決済はできません。

 

費用について

分筆も司法書士の仕事ではないので、費用については、なんとも言えないですが、測量する必要がある仕事は報酬が高くなるような気がします。あと、隣地との境界の調査確定のために所有者(亡くなっていたら、その相続人)の立会が必要になったりすると、報酬も時間もかなりかかるようです。

状況次第ですが、特に分筆の登記はけっこうかかるようです。

 

必要なのはどんな時?

 

一つの土地の一部分を売却(贈与・交換などなど)することはできません。実体上理論的には可能ですが、それを公示・表現する方法がないので、第三者に対抗することができません。全部の名義を変えるか、全部を変えないかどちらかです

なので、

一つの土地の一部分の名義を変えるにあたっては、まず、その部分を分筆登記して、事前に新しい番地の登記記録を作る必要があります

 

分筆手続きには時間も費用もかかります。

そこで、

500平方メートルのうち、東側100平方メートルを分筆して隣人に売却するときは、話がまとまったらとりあえず、図面付きで契約書を交わすことになります。

 

契約書には、

東側100平方メートル(添付図面のように分筆登記をする)を売り渡す のように、書かれます。

契約の後速やかに分筆登記を発注し、それが完了するのを待って、そこから、代金授受及び売買登記をするのが理想だし、安全です。
しかし、心情的にどうしてもそれを待てないことがあります

曰く

・早くお金を払わないと売り主の気持ちが変わって売ってもらえなくなるのが怖い

・早くお金をもらわないと買い主の気が変わったら困る

・早くお金をもらわないと、〇〇の支払いがきびしい

 

 

しかし、それがどうしても優先するのであれば、こうしたときこそ、きっちり、しっかり丁寧に契約書を作成してほしいと思うものです

一応かたちだけ、などと言ってざっくりすぎるアバウトすぎる契約書を作ってしまい、分筆登記もされてないのに、もちろん、売買登記もできないのに、代金全額の授受までしてしまったら、将来ことがうまく運ばなかった時にどうにもならなくなります。

不測の事態とはこんなかんじ。

1 境界の関係で(または他の理由で)分筆登記ができない
2 自然災害でいろいろ話が錯綜して面倒なことになった
3 分筆まえに、買い主または、売り主が死亡してしまった

とくに契約から売買登記まで時間がかかる分筆絡みのときは、このような不測の事態は起こりがちです

 

できれば、分筆が終わって売買の登記ができるようになるまで、代金授受は控えてもらいたいものです。にも関わらずここまで言っても事情が許さないのであれば、せめて丁寧な契約書を作成、丁寧な領収書の作成、双方がそれを所持すること(または、コピーをとっておくこと)などして、将来の万が一に備えるのがよろしいかと思います。

 

契約書に特記事項として必ず次のことを書き入れましょう

1 場所が確定できるように物件表示を丁寧に記載。(東側の100平方メートルを売買する。詳細は別図参照)

これがしっかり書かれていないと、土地のどこの部分についての売買なのか後日何かあった時にわからなくなります。

2 分筆登記完了後に直ちに所有権移転登記をする

3 分筆登記の結果、売買土地面積に小数点以下の誤差が生じた場合でも、売買代金の精算は行わない。

4 売買代金は本日全額授受済み または
代金の一部〇〇円を本日授受等

5 万が一、分筆登記が令和○年○月○日までに完了しない場合は、売主は受領済みの金員全額を買主に返却するものとし、その金員には利子をつけない。

 

また、領収書にも特記事項、但し書きとして通常の記載に加えて次のように書いておきます

ただし、どこどこ○○番地の土地の東側100平方メートル(分筆未了につき小数点以下の誤差あり)の売買代金の全額として。

 

分筆登記は、
売買や担保設定登記これらは司法書士のしごと
前提としてされることが多い登記です

ということは、
土地家屋調査士の仕事は、
新しい権利と希望を創出する登記だということですね。

いまさらですが、ようやく気が付きました。
なんと!すごすぎる!

司法書士のする所有権移転等の登記は、
どちらかというと、多くの場合
実体上の権利等の異動が先行しています
としたら、登記はほとんど後始末的な?・・・