忘れる忘れる忘れ。。。

忘れる忘れる忘れる忘れ。。。

 

そんなにいつまでもすべてのことを
私たち(私だけ?)は
憶えていられません
当たり前です

 

ですが
本当に大事なことは忘れない
と信じたいものです
認知症等にかかっていない限りは。

言ってみれば
そんな大事なことを忘れるわけがない
私に限って。。。
という感じでしょうか

たとえば
自分の名前 電話番号(携帯番号は微妙)
住所 自宅の場所 子どもや親戚の名前
大事な人達の誕生日(そろそろ怪しい?)

 

しかしながら人間は忘れる生き物であって
特に、年齢を重ねた人の宿命でもあります

残念ながら
情けないことにどんどん忘れます

それは当たり前のことであって
特に恥ずかしいことではありませんが

いくら当たり前ではあっても
関係多方面に迷惑が及ぶことは
想像に難くありません。

もう
そうなったら
ごめんなさいとしか、言えません。

諦めてください
もう仕方がないです忘れてしまったら。

 

忘れたら、もう仕方がない

 

とは言っても
これは
いくらなんでも忘れたらマズイのでは?
という忘却があります

でも、どんなに
これは絶対忘れるわけにはいかない
と思っていても
そういうわけにもいかないのが世の習い

残念なことではありますが。

でも、ほとんどの場合は
忘れても何とかなるものなのです。

ご安心ください

 

権利証を受け取ってないですが?

 

このお問い合わせを戴くことが
わりとあります

実際の問い合わせの数よりも
多く感じてると思います。こちらも
その対応には非常に苦慮させられているので。

 

昨日や一昨日に登記をしたというハナシ
ではなくて、登記をしたのは
10~20年位前。

終活しようと思って権利証を探したら
まだ、受け取ってないみたい。
だって
捜したけどどこにもないし
もらった覚えもないから

というようなお尋ねですね。

 

ひょっとしたら当方が交付を怠ったと
お思いなのでしょうが

はっきり申しましょう。

そのような長期にわたって
権利証をお預かりし続けることは
絶対にありません。

 

取りに来ていただいたか
書留郵便でお送りしたか

ほとんどの場合は、いずれかの方法で
お手元に届いているはずです

 

捜してみて見つからなければ
失くしたのか、と思うのではなく
まだ受け取ってないのだ
お思いになりたい気持ちはわかりますが

つまるところ

忘れちゃったのですね。

 

授受簿だったり発信簿だったり

 

上記のような
権利証をまだ受け取ってないです
というお問い合わせを頂いたときは

まずは身の証(あかし)をたてるため

郵便発信記録および書類の授受簿
権利書返却の記録を残してあるので
それをお示ししてご納得いただきます

ですが、納得してくれといっても
現実に権利証がないのですから

「そうは言っても。。。」という
お気持ちなのはよくわかります。

しかし
こちらもそんな昔のことを言われても
授受又は郵送の記録があるだけでも
奇跡的ではないですか

申し訳ありませんが授受簿や発信簿についてはあんまり昔のものだとさすがに保管しきれないので廃棄してしまっていたらごめんなさいとしか言いようがありません。どうかご理解ください。
また権利証についてはいかに司法書士であってもそのように長期にわたって人様の権利証を預かり続けることはあり得ません

 

中には、お手渡しした授受の記録を
直にお見せしても納得してくれない方も
います

確かに、この筆跡は自分のもののようだが
受け取った覚えは全くない。
何とかして欲しい 
というように
おっしゃる方もおいでです。

いやいやいや困りましたね。
ないのですよ。
それに
何とかすることもできません。

 

なので、現在
権利証がどこにあるのかについては
残念ですが、当方ではわかりません

私は自信をもってそのように
断言できるのですが、お客様の方は
それではことは済みません。

だって
ないのですから。

 

 

権利証は大事なものなのです

登記が完了したあとで原則すべての方に
登記の成果物をお渡しするのですが

その成果物の中で
権利証(登記識別情報通知)は
一番大事なものです

権利証は、再発行はできません。

ご自身でその不動産を
死ぬまで単に所有しているだけであれば
失くしたからといって
さほどの不利益はありませんが
(ずっと所有しているだけなら
別になくても問題はないです)

誰かに贈与したり
そこを担保に銀行からお金を借りる
などの際には権利証が必要です

でも
紛失していても登記する方法はあるので
大丈夫です

 

権利証を紛失するということ

 

権利証に関しては
権利の証(あかし)というくらいなので
権利証がなければ権利もない、と
勘違いなさっているかたもいます。

今では、登記識別情報通知という
味もそっけもないというか
それほど大仰な感じのするものでは
なくなってはいるものの、やはり

売買などで
多額の出費と引き換えに交付された
権利証(登記識別情報)であればこそ
当然、権利証自体に価値がある
とお考えになるのも無理はないです。

ですが

そうではありません。ご安心ください

 

不動産の権利は
権利証がなくなっても
登記簿(登記記録)に記録されている限り
問題なく、原則としてはその方のものです

権利証があろうがなかろうが
そこは変わりません。

 

ただ、権利証がないと
そのあとの登記をする際に不利益を受ける
可能性があるということに過ぎません。
過ぎません、とは言ってもそれなりに面倒ではあります。紛失しないことがベストであることはもちろんです

なので

売買取引を一週間後に控えているなど
そうしたときは若干面倒なことになります

ですが
権利証がなくてもなんとかなるのです

 

決済は明日

 

担当司法書士に事前に伝えれば
他にいくつか(3個)代わりの方法が
あるので
それで問題なく進行するはずです

ただし、それには
事前の調整が必要だったり
別途費用がかかったりするので

当日のいざ決済の現場でそれを言われても
どうにもならないことがあります。

なので、必ず事前に
司法書士にその旨お伝えください。

そうすれば、権利証がなくても問題なく
登記を移転したり
抵当権の設定をしたりすることができます

 

 

たしか土地を買ったはずだが、どうした??

 

終活の一環というか

所有する不動産のリストを作っておきたい

または

遺言書を作るのに所有不動産を正確に知りたい

というようなときは
権利証がなくても何とか探すことが
できるかもしれません

 

役場の税務課に行く

 

不動産所在地の役場の税務課で
固定資産税評価証明書(私の所有するもの全部)
と依頼すれば
その市町村に所有する不動産が全て
開示されます

もちろん
固定資産税納付書・課税明細書にも
同様のことが書かれていますが、こちらは
評価額が免税点以下のものについては
記載されません。

一方、税務課で取得する評価証明書には
評価額がたとえゼロ円であっても
載っています

また

隣の町にも確か土地がある、と
いうようなときも
同様にその町の税務課に赴いて
評価証明書を取得するだけで済みます

 

固定資産税納付書

 

ただし、この方法にも欠点があり

那須高原だったか、北海道だったかは
忘れたけど確かに土地を買った覚えがある

というような時には使えません

この場合は、毎年
不動産所在地の市町村から所有者あてに
固定資産税納付書が送られてくるので
それを利用することができます

ただし
やはり免税点以下の評価の土地だとしたら
対象外ということになり
納付書は送られてこないので
これも完全にあてにはならないかも
しれないです。

 

ところが、このような方に朗報です

2026年に便利な法律ができる

 

法律が改正されて
2026年2月2日から
所有不動産記録証明書という制度
始まります

あと2年半待つだけです

 

日本中、所有する不動産の情報が
もよりの登記所から取得することが
できるようになります(手数料がかかります

いわば
名寄せ帳の全国版という感じのものです

今でも、登記記録については
不動産の所在番地等がわかれば
全国の登記記録を入手することは簡単ですが

そうではなく

私はどこにどんな不動産を
所有していますか
という問いに
答えてくれるものです

 

ちなみにこれは
ご本人からだけではなく

亡くなった人の相続人からでも
交付請求ができます。

被相続人がどこに土地をもっていたか
まるでわからないという時に使える
たいへんにありがたい制度です。

秘密に購入してあったマンションとかも死後もれなくお身内にばれることになるので
お心当たりのある方は事前にそれなりのお手当てが必要かもです。令和8年からです。

 

で、登記はしたのかな?

 

まだ相続(贈与)が終わってないと
思うので、
すぐにやってもらいたい
というご依頼もあります

ですが、直ちに
登記簿を確認してみると

実はとっくの昔に登記手続きは
完了していた
ということがままあります

長い間、あそこの登記をしなければと
常に心配をしていると
その心配だけが強固になって
登記が終わってもしばらくすると、また
その心配が頭をもたげてくるというか

登記が完了したことは忘れても
心配し続けたことは忘れないといった
ことでしょう。

記憶力の神秘というか、まあ
そんなものであって、人は忘れるものです

これなどは
権利証の返却事実を証明することに
比較すれば
全くカンタンに答えがでます

その番地の登記記録を取得するだけ。

登記が完了しているのかそうでないのか
瞬時に確認できます

実際にこのパターンは何度もあって
高齢になればなるほど
このようなものなのだと、もう今更
驚くまでもないです。

ただ、登記記録を閲覧して
その登記はとっくに終わってますよ
とお伝えした時の依頼人のうれしそうな
顔は、何度見ても有難いものです

 

登録印(実印)はどれ?

 

実印の所在がわからないというのではなく
いくつもある印鑑のうち
どれが登録印だかわからなくなる
というものです

このような時は
印鑑証明書と一緒に
それ風なものを全て持ってきていただければ
こちらで確認します。

たぶんこれのはず、ということで
決済当日に実は間違った印鑑だけ
お持ちになる方の多いこと。

それらしいものを全てお持ちください

印鑑ケースに実印と書くのでは
まだ甘いです。
ケースと中身が相違することは
よくあることです

ハンコの本体にその旨のしるしなり
記号を書いておくことをお進めします

 

でも
せっかくそのように書いても

なにかの時にその印鑑を紛失してあわてて
その辺の印鑑で再度登録をした場合
その部分の記憶が飛んでしまうことが
あります
年齢を重ねると
このように信じられないことも起こります

そうすると結果として
新しく登録した分の印鑑証明書と
実印、としっかり記したハンコは
一致しないことになります

このケースもまたよくあります

アタシは絶対そんな恥ずかしいことはない
とお思いであっても

印鑑が違っていますと言われたら
諦めて、状況を受け入れていただきたいと
思います

 

登記の依頼はどこに?

 

私たち司法書士として扱いに困るのが

お客様がこっちの司法書士に頼んだことを
忘れて
今度はあちらの司法書士に同じ内容を
依頼してしまうことなのです

通常の売買や生前贈与の登記では
このようなことはめったにおきませんが
たまーに仲介業者さんの勘違いで
このようなことも稀にありますが

たとえば相続登記ともなると
とかく時間がかかることが多いです

数か月どころか数年かかることも
珍しくはありません

お客様も
いったん冷却期間を置きたいとか
諦めたり、悩んだりするため
そろそろどこかに登記を頼まないと!
また別の司法書士に依頼してしまうわけ
ですね。

わかりますよ。そのお気持ちは。

忘れてしまったのですね。

これもまた起こりがちな悲劇です
(我々司法書士にとって)

相続の登記は
一から始めるとなると

戸籍の収集に時間がかかったり
何十人もいる相続人の意見とりまとめに
時間がかかったりしているうちに

こっちの司法書士に依頼したことを
忘れてしまうことは、まあ
ありがちなことともいえます。

 

これはまた別の話ですが

お年寄りが来て
数年前にこのあたりの司法書士に
こういう登記を頼んだのだがその後
どうなっているのか 

聞かれることもあります

ううう、その司法書士は
20年以上前に亡くなっています

とか
20年前に廃業されましたと
お答えするわけですが。

忘れちゃったのですね。わかります

 

土地の代金は?

 

おそらくそれが数百万円以上の
単位であれば

もらったことや払ったことを
忘れることはないのか
と思いますが。

当地は田舎なので、たとえば
小さな山林の売買で、価格が20万円
というようなこともざらにあります

 

領収書を書く 保存する

 

領収書さえ、きちんと書いたり
書いてもらったり、さらにそのコピーを
保存したり、などしておけば
お金の授受の有無がわからなくなることは
まずないでしょう。

でも、すべての取引で
領収書が発行されるわけではありません

特に、当事者同士で売買をするとか。

そうすると、どのように書類
~売買契約書、領収書~のやりとりを
すべきかよくわかっていないことが多いので
書類の抜け落ちは頻繁です

親戚同士または隣同士で
売買するとかのときも

細かいうるさいことを言って
コトを荒立てたくないという心理が
働くものか

敢えて領収書の授受をしないことも
けっこうあるようです。

お金の授受の方は当然
しているのだと思いますが。

 

当方に
お金の授受は終わったが登記はこれから
というような
当事者同士の売買のお客様(仲介者がいない)
がお出での時は

必ず領収書の作成を確認して
まだ作っていないようなら
作成してもらうようにしています。

それでも
そんなものは信頼関係があるからいらない
水臭い
、と仰せの方もおいでになりますが

お金を払った方の方に聞くと
本当はやっぱり欲しいと。で、
結局領収書をお書きいただくことになります

で、さらに
その領収書はコピーをとって
発行した側(お金を受け取った方)にも
お渡ししておくわけです

時間がたったら
貰ったことも払ったことも
忘れてしまうからです。

 

契約書を作る 保存する

 

また、時には契約の特約内容として
ここに至るまでの諸費用と相殺するので
実際にはお金は動かないことにする
ということもあります

契約書を読めば、その旨きちんと
書かれているのですが

忘れやすい人はまた
契約書を読まないことも多いです

そのような方は決済後しばらくしてから
当方においでになり
あの時の売買代金はいつもらえますか と
お尋ねになるのです

当時の契約書を取り出して
ここにこのように書かれていますよね
(何かの工事費用と売買代金は相殺するというような)

お示しすると
ああそういえばそうだった
と思い出す方がほとんどです。

思い出さない方もいます

 

番外 私は誰。。。。

 

権利証をなくしたとしても
実印または印鑑カードをなくしても

手間はかかりますがそれらについては
結局はほとんどの場合
何とかなるものです

 

どうにもならないのが

私は誰でしょうという、つまり

判断能力が非常に危うくなってしまった
ときです。

 

これは、結局は、どうにもなりません。

 

そうなったら、仕方がないので
そうなる前に何か
手を打っておけるとよいですが

前兆があればともかく、ある日
そのようになってしまったとしたら

仕方ないです。

土地売買の予定があるのであれば
成年後見人または、保佐人等を選んで

本人に代わって手続きをしてもらうしか
ありません。

 

そのような次第で

忘れてしまわないうちに
懸案だった登記手続きをなさることを
お進めします

 

かなり前にした売買の登記
先延ばしにしてきた生前贈与の登記
すでに死後何十年も経過してしまった
相続の登記 などなど。

 

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