親が離婚。子供の戸籍はどこに?

親が離婚すると、こどもの戸籍は?

親権者と同一なのでは?と思いますが、
ところがところが
そういう簡単なことではなかったりします

親権者になった方の親の戸籍に、
自動的に入るかそこに留まるのでは?と
思っていましたが。

ところがどっこい!

 

親権者の戸籍に
自動的に入るわけではない

 

父(筆頭者)と母が離婚して、
子の親権者は母。
10歳の子どもは母と暮らすことに
なりました。

 

筆頭者でない方の妻というか母は、
離婚によって
夫婦の戸籍から除籍になります。そして、
以前の(実家の)戸籍に戻るか、
新しい戸籍を作ってそちらに移ることに
なります

 

子どもは母と同居しますがこのままだと
なんと、
戸籍は筆頭者である父の戸籍に
残ったままです。

 

このまま何もしなければいつまでたっても
父親の戸籍に残ったままです。
親権者は間違いなく母なのですが。
子供の身分事項欄にも親権者は母と
記載されてはいるのですが。

 

親権者とは

 

未成年者がいるときに離婚するには、
必ず、
子どもの親権者を、
父か母のどちらか片方に決めないと
離婚届は受理されません。

 

親権とは、
・未成年者の子どもを監護養育し、
・その財産を管理し、
・その子どもの代理人として法律行為をする
権利義務のことです。

 

また監護権という言葉もありますが
監護者というのは、実際に
未成年者と一緒に暮らすなどして、
その子どもの面倒を見る人のことです

監護権は、本来、当然に
親権に含まれる権利義務です。
しかしながら、離婚に際しては、
諸事情によって
監護者と親権者を別々に定めることがあります

親権者が子どもを監護できない特殊な
事情がある場合や、親権者でない側が
監護者として適任である場合など。

 

なので、

親権者は父、と定めて離婚しても
実際は母親と暮らす、ということは
あります。

ありますが、やはり、
一般的には、この場合だと、
母親が親権を取ることが多いです。
一緒に暮らしてない方の親が
親権者(法定代理権をもつ)だと
いろいろと不都合が予想されるためです

 

さて、このようにして、
10歳の子どもをもつ夫婦が離婚して
筆頭者である父の籍から母が抜け
母が子どもの親権者となっています。
にも関わらず、
子どもの戸籍は
自動的に母の戸籍に入るというわけには
いかないのです。

ちょっと考えると、
父の戸籍から除かれて
親権者である母親と一緒の戸籍に入る
と考えがちですが。
そうではありません。

そうなっている戸籍をよく見かけるので、
つい、最初からそういうものかと思っていましたが。

 

離婚して、母を親権者と定める

これだけだと、子どもは、
筆頭者である父の戸籍に残ったままです
筆頭者でない方の妻というか母は、
夫婦の戸籍から除籍となり、
前の(たとえば実家の戸籍)戸籍に戻るか
新しい戸籍を作ってそちらに移ることになります

 

子どもは、
親権者が母と記載されているものの、
父の戸籍に残ったままです。

 

母の戸籍に入りたい
母の戸籍に入れたい場合はこのように

 

まず、
母が離婚して元の姓に戻っていた場合は
異なる姓は同一の戸籍に
いられませんから、

 

  1. 家庭裁判所から子の氏の変更許可をもらう必要があります
  2. その審判が出たら、審判書と一緒に母の戸籍に入籍届けをします
  3. これが受理されて、ようやく父の籍から母の戸籍に入ります

 

なお、手続きは、10歳の子どもではなく、親権者である母からします

子どもが15歳以上であれば、その子どもからすることもできます

 

戸籍制度、難しいです。

普段目にする機会もあまりありませんが、
人生の節目に取り寄せる機会が生じ、
暇に任せていみじみ読むと、
書かれた内容に納得がいかないことも
ままあります。

いや、

やたらにそんなこともないでしょうが。

世界に誇る日本の文化遺産でもあります。
現行制度なのに
すでに遺産というのも妙ですが。