遺言書保管申請のしかた

遺言書保管申請は、
まず、予約をいれることからはじまります

 

2020年7月10日、遺言書保管法(新しくできた法律)が施行です

それに伴い、7月1日から予約受付が開始されました

法務局によっては、今月はもうすでに満員というところもあるようです。人気!

 

予約が必要?

 

遺言書保管手続き関係は、最初の申請だけではなく、すべての手続き(閲覧・証明書交付請求など)において予約が必要とされています

多くの登記と異なり、原則として
即日処理となっています。

なので、

ある程度の時間がかかることになるので
可能な限り順番待ちの時間を
軽減するためだそうです

予約できるのは、
当日から30日先までです
当日の予約は不可です。

 

 

遺言書保管法とは?

 

正式な法律名は、
法務局における遺言書の保管等に関する法律です

自筆遺言としての外形的条件を備えた遺言書を、
遺言書保管所として指定された法務局が
預かってくれます(1件3900円)

・期間に上限はありません。
が、あまりに長期に及ぶと職権で廃棄されます

・本人が出頭して、
本人であることの確認をされたのちに、
手続きが進行します

・この方式だと、死亡後の、
遺言検認手続が不要です

遺言書の内容については、
遺言した人が死亡した後は、
相続人または受遺者はその遺言を
閲覧することができます
(その際には必要な書類が別途あります)
1回1700円

遺言者が死亡した後、
相続人または、受遺者は、
遺言書情報証明書の交付を
請求することができます
1通1400円

これがあれば検認された自筆遺言書や公正証書遺言と同じことが可能です。
不動産の名義を変えたり、預金をおろしたりできます

 

さあ、予約をしよう

 

1 まず、自筆遺言書を作成し、

2 預ける予定の法務局に電話等をして予約を入れます

でんわは、8:30~17:15 平日のみ

24時間対応の専用サイトもあります
(法務局予約サービス)

3 その際に持参する書類について確認をしましょう

4 不足のものがあったら取寄せておきます

5 あとは、予約日時に本人がその法務局に足を運ぶだけ。
絶対本人!委任状による代理人出頭は不可

6 内容のチェックはされません。外形的に自筆証書の要件を満たしていれば、
受け付けてもらえます。

遺言内容が不適当だったり法的に無効なものであったとしても、保管所はそこまで内容に踏み込んだチェックはしません。

微妙な内容の遺言をなさる方は、保管所に受け付けてもらえたから絶対に大丈夫、というような誤解をなさいませんよう。内容まで精査してくれてるわけではありません。

7 費用 3900円(収入印紙で納める)

 

保管所ならどこでもいいの?

 

遺言を保管してくれる法務局は、法定されています

保管先の法務局

・遺言者の住所地または本籍地を管轄する法務局

・または、所有不動産を管轄する法務局

地方法務局本庁か、支局が対応します
法務局であっても〇〇出張所という役所では保管しません。

なお、

既に遺言書の保管をしているときは、
新たに保管申請をするにあたっても、
同一の保管所が管轄となります

心配なときは、予約時に管轄を確認しましょう

たとえば、最寄りの法務局に電話で、

長生村に住所(または本籍)がありますが
御庁(茂原支局)で遺言保管はできますか

のように確認してください

 

保管用の遺言書の書き方

 

持参する遺言書について、
通常の自筆遺言(自宅等で保管するもの)
と異なる箇所がいくつかあるので、
ご注意ください

 

使用する紙はA4版です。
よく見かけるコピー用紙の大きさ。

紙、自体には指定はありません。が、
文字が明瞭に判読できること。という条件があります。
あまり高級すぎる凝った作りの紙は、インクのノリが悪いので避けたほうが無難です。

縦書き横書きどちらでも。

用紙の向きも縦置き横置きどちらでも

表面だけに書きます 裏面使用はできません

4ページ分の遺言を書くとしたら4枚の紙が必要です

各ページにページ番号を記載する

ホッチキス等で綴じない
袋とじとか、凝ったことはしない

封筒は不要(そのままで)

 

要は、これらは、
画像データで保管されることになるため
用紙の大きさがばらばらだったり、
裏面にかかれていたり、
ページが書かれていなかったりすると、
保管する際に困難を生じることになるからだと思います

 

単なる自筆遺言との様式の違い

 

法務局保管でない通常の自筆遺言の場合は

・紙の大きさは自由で、裏面にもかけます

・きちんとかかれてさえあれば、大丈夫。

・広告の裏紙を使っても全然問題ありません
(ただし、文字は明瞭であることが望ましい。後日の争いを避けるため)

・封筒には入れてもよし入れなくてもよし
(入れたほうが他の書類等に紛れ込まなくてよい)
 封筒に入れて遺言書とはっきり書いておくのがよいのではないでしょうか

・数ページに渡るときは、念のために、綴じてください

綴じなくても繋がり具合が明らかであって、後日、問題を引き起こさない状態であれば、バラけていても大丈夫かもしれませんが。
念のために綴じてホチキスとか、袋綴じをして。
ホチキスであれば、契印もした方がよいと思います

 

まとめます

 

まず、すべきことは、

1 遺言書を書く

書き終えたら、

2 管轄の法務局に予約の電話を入れましょう。

近所の法務局に電話をすれば、
管轄がどこかは教えてもらえます

第一歩は、とりあえず行動することから。

ご健闘をお祈りします

 

自筆遺言の書き方については、
お気軽にご相談ください