悲報!領収書がもらえない・・

領収書がもらえない!

 

お金を支払ったら、その代わりに、
お菓子だったり、飲み物だったり、
クルマだったり、土地付き建物が手に入ったりします

 

つまり、チョコレートを買いたければ、
お金を支払うわけです。
小売店のレジでは、
現金払いでもカード払いでも必ずレシートは出ますが、その場で廃棄する人も多いようです。

額も小さいですし、
商品を黙って持ち去る人はあまりいないからだと思います

後日、それ(お金の支払)が問題になることは考えられないから、廃棄という選択をしているわけです。

 

一方、取引金額が多いときは、
銀行振込みにすることが多いため、
領収書は発行されないこともあります。
この場合でも、発行するよう主張すれば、たいていは発行してもらえます 振り込みは、記録が残るから領収書は不要でしょう?と考える人は多いです

 

お金の支払と領収書の発行は同時履行の関係にあります。
びっくりすることに、法律できちんと決まっています

支払いと領収書は同時履行

 

受取証書の交付請求
民法486条
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる

 

つまり、弁済と引換に、という言葉があるので、
領収書をもらえないときは、支払いを拒むこともできます

さらに、次のような判例もあります

弁済受領者が受取証書の交付を拒絶する以上弁済者は提供物を交付しなくても、遅滞の責めを負わない。(昭和16年の判例)

つまり、

お金を払おうとしているのに領収書の発行を拒まれたときは、お金を払わなくてよい。

そしてそのことによって、
遅延損害賠償等の不履行責任を負わせられることはない、という意味です

 

という法律はあるのですが、ついうっかり、
領収書を用意していない、または、領収をもらうのを忘れる、ということはあります

ですが、これがどういうことかというと

お金を受領する側が領収書の用意を怠るということは、
お金をもらえなくても文句は言えないということです。

払う側が
「いいですよ、このくらい。どうせ、経費にはならないから」とか、

言ってくれることがあります。

また、領収書を忘れた側が
(随分強気な発言ですが)信用してください。間違いなく明日中に届けますから」
と言ったりなどして、そのまま現金授受がなされることもあります。
領収書なしで。

 

預り証とは?

領収書が手元にないときは
預り証(あずかりしょう)を書くこともあります

あるいは、
相手方にお願いして書いてもらったりもします

コピー用紙とか、メモ用紙、懐紙
あるいは、名刺の片隅に



堀井 文貴 殿

預り証 2021年10月27日

金〇〇円を何々の代金としてお預かりしました

 片山えり蔵 印


このような感じで書かれるものです。
これは、
タイトルこそ領収書ではありませんが、
内容は立派な領収書です。

ただ、

但し書きが書かれてなかったりして詳細がはっきりしないときは、
やはり、細かく作り込まれた領収書がほしいですね。
後日のために。

そう、もちろん、
後日のために。

 

領収書を忘れるとどうなるか

 

領収書を作り忘れてしまうときなど、ほとんどの場合は

悪気はないです。(たぶん)

明日中には届けます、と主張した人は、
もちろん明日中に届けるつもりで、その発言をしたのでしょう。(たぶん)

ですが。

払った方ももらった方も、その事実を確実に覚えていられるのは
何日くらいでしょうか。私は一晩眠ると忘れてしまうことが多いですが。

ほとんどは、その日一日くらいは、きちんと
記憶していると思いますが、
1週間もしたら、忘れている人が多くなり、
特に多忙な人であれば、1ヶ月もしたら
ほとんどまるごと忘れてしまってるのではないでしょうか

 

というわけで、それっきり双方とも忘れてしまった場合は、おそらく何かの事情でそれが必要になったときにトラブルへと発展してしまうことがあります。

 

取引の証明として

 

ほとんどの場合は、税金の申告にでも使わない限り領収書の有無が致命的な結果をもたらすことはないかもしれませんが、

現金授受をした取引から時間がたってしまったら、代金の授受があったことをどのようにして証明すればよいのでしょうか。

 

その事実があやふやになってしまったら
当事者はどうしたらよいのでしょうか

 

支払った側はこう考える

 

絶対に払ったに違いない。

なぜならば、払わなければ当然、
請求されているはず。

または、払わなければ、
この品物は手元に来ていないはず

当然、支払ったからこそ、この品物は
ここにあるのでは?

 

支払いを受けた側はこう思っている

 

お金はもらってないはず。なぜならば
領収書を交付してないから。

普通そんな大金を領収書なしで支払うなんて
あり得ない

こっちだってお金をもらうときに、
領収書を書かないなんて考えられない。

だから、お金を受け取ったとしたら絶対領収書を書いたはず。

つまり、

領収書がないなら、
お金はもらってない!!!

 

当事者同士でつい数日前のことについて主張が噛み合わないことさえあるのに、

昔の売買を証明したい

 

これが、不動産の売買などで、たまにあるのですが。

  • 数十年前に売買をした
  • 当事者は双方とも死亡
  • 契約書は残っている
  • 登記名義は移転してない

これは、よくあるパターンで

何回この種の相談をお受けしたかわかりません。

(ちなみに、話し合って解決できなければ、どうにもなりません。)

 

このような事態を招いてしまったらほんとに後悔先に立たずというか、どうにもならないとしか言いようがありません。

 

 

 

買主側の主張

お金は全額支払い済み、
と父から聞いている

忙しいから登記は少し待ってくれと言われたまま
地主が亡くなってしまったという話だ。

だから、
登記名義をこっちに移して欲しい

 

売主側の主張

これに関しては、
父からは何も聞いていない

お金を受け取ったと言うなら、
父が書いた領収書を見せて欲しい

それに、
もしも実際にお金のやりとりが済んでいるなら
登記の名義も変更されてるはず。

それがまだ変わっていないということは

契約だけして、
金銭の授受はまだだったということなのでは?

もちろん、
こっちでお金を受け取った証拠があるなら、
すぐにも名義は変える。

 

このような感じです。

領収書があれば、
すっきり、
したはずでした。

 

今からこうする

 

小さな一歩ですが、身近なところからその習慣をつけてみてもいいかもです。

コンビニで買ったポテトチップスのレシートは無理にもらうこともないですが、

食事代あたりから、はじめるのは、
どうですか

観察していると、
領収書をもらう習慣のない人は、
そもそも頭がそちらに向けて働いていないことが多いようです。

お金を支払った
イコール
義務は完了
以上

特にその人達が人を信じやすいというわけではないです

単に、そのような知識がないというか、危機感がないだけに過ぎない感じです

 

お金を払ったら、領収書を!

後日のために。

将来、

払った!

もらってない!

という、
不毛な争いに煩わされることがないように。