会社の登記の罰金

会社の登記の罰金

 

不動産登記については、
相続登記をしないと罰金10万円とか
近頃よく言われていますが、

会社の登記についても、
するべき登記を忘れていると
こちらもやはり罰金がきます

 

おそらく、会社の設立登記を司法書士に依頼したのであれば、
〇年以内に役員変更登記をしないと過料が課されます、と注意喚起をされたと思います

ですが、設立登記をセルフ(ご自身)でなさった方は、ひょっとすると、
そのような法律があることをご存知なかったかもしれません。

不公平かもですが、
残念ながら知らなかったとしても
許されないのが法律の恐ろしいところです。

 

さて、役員の登記ですが

役員変更登記

 

「役員の顔ぶれは創立以来、全く同じ。
どおだこれでも罰金か」
というようなことも言われますが、
それは確かにそうお考えになるのはわかります。ですが、顔ぶれが変わらなくても、その変わらないという役員重任の登記が必要です

 

重任というのは、
同じ人が任期満了退任と同時に再度就任するという意味です

 

同じ人がまた継続するのであれば
どうしてまた登記が必要なのか、と
思いますよね。

普通の感覚としてはそうだと思います。

 

ですが、
定款で定めた任期が切れてしまうということは
その時点でその人は役員(たとえば取締役など)ではなくなってしまうということです。

一人しかいない取締役だとしたら、
その会社には代表者が不在ということになります

ただし、法律上、
そのような時は次の役員が決まるまで
前役員には、権利義務役員として業務を執行する権利も義務もあるので、
そこが問題になることはあまりありません。

 

役員の任期

 

役員の任期は、定款等によって、
数年間と定められています

具体的には定款の作り方によりますが、
多くの場合は
1年または2年、最長で10年です

 

任期が2年だとしたら、
選任されたときから2年で、
任期満了退任です。

なので、
同じ人だから、という理由で
10年以上、登記をしないままだと実体上は
任期満了によってとっくに任期が切れて
退任したままということになります

任期満了だからといって
自動的に法務局の職権で
退任の登記がされることはあり得ません

代表者が登記をしないと、
いつまでたっても登記記録は変更されません

 

 

役員変更

 

重任ではなくて、新しく役員を選んだときは
この登記が忘れられることはおそらくほとんどありません。

役員報酬の支払いもあるのでしょうし
これについては、忘れる方が困難です

しかし、数人いる取締役の一人が死亡した
というときは、
何年も登記が懈怠されることがままあります

代表者が死亡したのであれば、通常
取引に大きな影響があることが多いので
速やかに後任の代表が決められ、登記に
反映されることになるのですが。

 

役員の変更登記は、
変更原因の生じたとき
(死亡、就任承諾、辞任、住所変更等)から
2週間以内に申請すべきとされています。

これは代表者の義務とされているので
罰金を課されるのは、会社ではなく、
代表者個人です

 

商業登記の罰金

 

商業登記(会社とか法人等)の罰金は
ほぼ確実にもれなく課されます。

罰金事案については予測ができるため、
登記の際にそのようにご案内しています

ですが、

具体的な金額については公表されてないため
漏れ聞いた概算額しか
お伝えすることができないですが、

さすがに本当に裁判所から罰金の通知が
送られてくると、
慌てふためくお客様は多いです。

 

そうなる前に、役員登記を考えましょう

会社の他の登記でも罰金はあります
本店移転とか事業目的変更とか。

登記すべき事項を
適正な期間内に登記しないと
罰金がかかるのは同じですが、

通常、本店移転や目的変更の登記を忘れる人はいません
ほとんどの場合は、変更後の登記記録を
銀行なり、役所なりに提出する必要があるからです

 

まずは、会社の登記記録を取得して、
任期が切れているのか、まだ大丈夫なのか
確認しましょう

そのあたりがわからなければ、
法務局の窓口で相談にのってもらえると思います

その際は、
登記記録定款をご持参ください

決算期がいつであるかは、
任期の確認のため不可欠ですが、定款に
任期も決算期も書かれています

 

会社法
(過料に処すべき行為)
第976条
発起人、取締役、監査役、(略)は、
次のいずれかに該当する場合は100万円以下の過料に処する。

1 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。(以下略)